東京モーターショー2019のスズキ・ブースに出展されたハスラー・コンセプト。「コンセプト」と銘打たれてはいるものの、モデルサイクルやその完成度の高さから見て、これが新型ハスラーと言ってほぼ間違いはない。まだ詳細はアナウンスされていないが、ひとまず現行ハスラーからどこが変わったのか見比べてみよう。
エクステリア &ボディサイズ
ひと目で気がつくのは、現行ハスラーよりもハスラー・コンセプトの方が角張っているというか、上下方向、前後方向の絞り込みが減ってボクシーなスタイルになったということ。
もちろんこれは現行よりも広いスペースを稼ぐためだろう。ハイト系の軽自動車の定石ともいえる手法だが、独自の個性とデザイン性が魅力だったハスラーまで、そんな潮流に乗る必要はなかったと感じる人も少なくないはず。
しかしハスラー・コンセプトの場合、不思議と既存のハイト系のような生活感というか、家電っぽさが感じられない。むしろ角張ったことで、ジムニーのような「タフな道具感」すら漂い始めて来た。現行ハスラーのイメージもうまく踏襲されており、デザイナーの妙技というものを感じさせるアピアランスだ。
現行ハスラーのボディサイズは、全長が3395mm、全幅が1475mm、全高が1665mm、ホイールベースが2425mm。ハスラー・コンセプトのスペックは公表されていないが、まず全長と全幅は軽自動車規格いっぱいのため、変更はないはずだ。
一方、全高やホイールベースは僅かに大きくなっている可能性はある。とく全高は高くなっているように見えるが、これは絞り込みが減り、キャビン上方のマスが増えたことによる錯覚かもしれない。
コクピット
現行のイメージを受け継いだエクステリアに対し、インテリアは大きなチャレンジが成し遂げられた。品よくまとめられてはいるものの、それほど印象深いというわけでもなかった現行ハスラーに対し、ハスラー・コンセプトは上下を切り落としたような大きな円形のモチーフを3つ横に並べるという大胆な造形を採用した。
しかも一番左、助手席前には、ゴムロープを張って収納スペースとするポップかつアウトドアツールを想起させるアイデアを採用。円形モチーフの隙間にエアコン吹き出し口を等間隔に配置するという発想には脱帽するしかない。
キャビンスペース
キャビンスペースは、ボクシーなシルエットの恩恵を受ける部分だ。前後左右のスペースにはそれほどの違いを感じないが、肩回りと頭上にはさらなる余裕が生まれた。これまでもとくに窮屈だったわけではないが、ハイト系やミニバンから乗り換えたユーザーが「狭くなった」と感じる可能性は最小限に抑えられている。
ラゲッジスペース
箱形スタイルの恩恵が最もわかりやすく表れているのがラゲッジスペースだ。リヤゲートの開口部をよく見てみると、ハスラー・コンセプトのほうが明らかに角張っており、とくに上方の左右の角の部分がギリギリまで広げられているのがわかる。
リヤゲートを支えるダンパーの取り付け位置も左右上方の端に追い込まれているように見える。重箱の隅を突くような、軽自動車ならではの厳しい開発競争の凄みを感じさせる部分だ。
以上、ハスラー・コンセプトと現行ハスラーの比較でした。あとは新型ハスラーとして登場するのを待つのみ!