スーパーカブが誕生した翌年の1959年、ホンダはアメリカに市場を切り開くために「アメリカン・ホンダ」を設立し、アメリカのバイク業界に参入。3年後の1962年、“ナイセスト・ピープル・キャンペーン”によって、ホンダのスーパーカブCA100はアメリカ社会に定着した。スーパーカブCA100の人気に伴い、アメリカではスーパーカブCA100用のオプションパーツがリリース。ここでは1960年代にアメリカで発売されていた、貴重な4種類のホンダ純正コンバートキット装着車をご紹介しよう。
REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)
PHOTO●4ミニ.net https://4-mini.net
協力●ホンダコレクションホール
アメリカでの“バイクの常識”を覆した「スーパーカブCA100」「スーパーカブCA102(セル付き)」とは?
■スーパーカブ CA100|北米市場でホンダ躍進の起爆剤となった「アメリカのカブ」の秘策、ナイセスト・ピープル・キャンペーンって何だ■「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」のポスターに登場したスーパーカブCA100!(今買うなら60年記念車!)ハンターカブの元祖?軽快さとシンプルさを追求したデザインがポイント
「スチューデントキット(STUDENT)」という、ホンダ純正のカスタムパーツを組み込んだ北米仕様のスーパーカブ。このパーツは、軽快さとシンプルさを追求したデザインがポイント。
キットは、カブラと同様のデザインのレッグカバー、専用のエンジンカバー、ノーマルとは形状の異なる小物入れ付きのサイドカバー。1970年まで、スーパーカブCA100やCA102(セル付き)とともに発売された。
当時流行した「ストリートスクランブラー」をイメージ
「ボスキット(BOSS)」は、当時流行したストリートスクランブラーをイメージした外観がポイント。CA105T&CT90用のアップマフラー、バーハンドル、フロントフェンダーなどで構成した、“ハンターカブ”を彷彿させるフォルムに仕上がっている。1970年まで、スーパーカブCA100やCA102(セル付き)とともにリリース。
1967年(昭和42年)登場のスポーツモデル「SS50」をイメージしたガソリンタンクを装備
北米向けのスーパーカブ用としてリリースされた、「ロードスターキット(ROADSTER)」を装着したカスタム。1967年(昭和42年)に登場したスポーツモデル「ベンリイSS50」をイメージしたガソリンタンク&シート、専用サイドカバー、バーハンドル、フロントフェンダーなど、スポーティなフォルムが特徴。1970年まで、スーパーカブCA100やCA102(セル付き)とともに発売された。
■“Y部品”が組み込まれた伝説のスポーツモデル「ベンリイSS50」ってナニモノ?ロング型のガソリンタンクや、ベンリイSS50風のレーシングタイプシートなどで構成
「ラリーキット(RALLY)」は、レーシングフラッグ&ウイングマーク付きのロング型ガソリンタンク、「ベンリイSS50」風の細身のレーシングタイプシート、専用サイドカバー、バーハンドル、フロントフェンダー、2人乗りも可能なセミロングシートなどで構成。燃料タンクはFRP製で、インナータンクを内蔵。「ラリーキット(RALLY)」は1970年まで、スーパーカブCA100やCA102(セル付き)とともにリリースされていた。
写真は「ラリーキット(RALLY)」を装着したセルフスターター付きのスーパーカブCA102(1967年式)。CM90用ヘッドライトケースや、丸型マイルメーターに変更しているのもポイント。
●スーパーカブCA100/102の主要SPEC
エンジン:空冷4スト単気筒OHV49cc/最大出力:4.3ps/9500rpm/最大トルク:0.33kgm/8000rpm/ミッション:自動遠心式3速リターン/重量:55kg