ホンダ・スーパーカブのエンジンは壊れない。これはもはや世界の常識だ。それは登場から61年、ホンダがスーパーカブに注ぎ続けてきた並々ならぬ情熱とさまざまな技術の結晶と言えるもの。もちろん、とても3分で紹介することなど不可能だ。しかし、じゃあ1時間あれば足りるのかと言われれば、やはり無理だ。1日でも無理だし、1カ月あっても無理だろう。であれば、少しずつ、少しずつ、「3分間」を積み重ねて理解を深めていくしかないのだ。
スーパーカブにホンダの真髄を見る
スーパーカブのエンジンはとにかく丈夫だ。「オイルがなくても走る」「水でも走る」「サラダ油でも走る」など、その武勇伝(?)には枚挙にいとまがないが、もちろんそれらは都市伝説に過ぎない。スーパーカブといえどもエンジンオイルなしには走れないのは当たり前。だが、そんなウソみたいなエピソードがまことしやかに囁かれるのも、このバイクの並外れた耐久性があってこそ。
そんなスーパーカブ耐久性の秘密をひとつひとつ紐解いていこうというのが当記事の主旨だ。今回は、そのなかでもかなり新しい部類に入る技術と言える「スパイニースリーブ」について見てみよう。
重箱の隅をつつくような改良の積み重ね
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ちなみにこのスパイニースリーブはスーパーカブ110、スーパーカブ110プロ、クロスカブ110に採用され、50ccには採用されていない。今やスーパーカブの主役は110ccということなのだろう。