NISSAN INTELLIGENT MOBILITYを具現化する先端機能であるプロパイロット2.0や、コネクティッドサービスの搭載が注目される新型スカイライン。
先進装備だけでなく新型V6エンジンや電子制御サスを搭載するほか、ステアバイワイヤシステムのブラッシュアップなど、スポーツセダンとしての走りの質を高めるための最新技術も数多く投入されている。
REPORT●安藤 眞(AMDO Makoto)
図版解説●安藤 眞/編集部
キャラクターを反映するディメンション
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ボディ骨格には変更がないが、デザイン変更の影響で全長が20㎜延長されている。国産ライバルのクラウンとの比較ではホイールベースが70㎜短く、輸入車ライバルのBMW3シリーズと同寸というところからもキャラクターが推察できる。
運転のしやすさを高める良好な視界
大柄な乗員でも余裕を感じる後席
ハイブリッド車を含め十分な広さを確保
ホットスタンプ材のほか1.2GPa級をはじめとした高張力鋼板を適所に配置
V37型がデビューした際に話題となったのが、世界で初めてボディ骨格に採用された冷間成形1.2GPa級超高張力鋼板。深い絞り形状にも割れずに対応できるよう、熱処理の工夫で素材の延性を向上させた。
ボディ後部の剛性アップ
フロントまわりを効率的に強化
ふたつの仕様を持つV6ツインターボエンジン
エンジン型式:VR30DDTT
排気量(㏄):2997
種類・気筒数:V型6気筒
弁機構:DOHC24バルブ
ボア×ストローク(㎜):86.0×86.0
圧縮比:10.3
最高出力(kW[㎰]/rpm):224[304]/6400 298[405]/6400
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):400[40.8]/1600-5200 475[48. 4]/1600-5200
使用燃料:プレミアム
WLTCモード燃費(㎞/ℓ):10.0
高性能を実現するキーテクノロジーの数々
フリクション低減で燃費性能をアップ
電動VTCを採用
シャープなスロットルレスポンスと卓越した加速性能
400Rのターボチューニング
400Rグレードのターボチャージャー。黒い配線が付いているものが、コンプレッサーの回転数をダイレクトに読み取るセンサーだ。その上に見えているのが、電動ウェイストゲートバルブのアクチュエーター。
ターボラグの抑制と安定した冷却性
ハイブリッドはVQ35をキャリーオーバー
エンジン型式:VQ35HR
排気量(㏄):3498
種類・気筒数:V型6気筒
弁機構:DOHC24バルブ
ボア×ストローク(㎜):95.5×81.4
圧縮比:10.6
最高出力(kW[ps]/rpm):225[306]/6800
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):350[35.7]/5000
使用燃料:プレミアム
モーター最高出力(kW[ps]):50[68]
モータ最大トルク(N・m[㎏m]):290[29.6]
JC08モード燃費(㎞/ℓ):14.4[2WD]/13.6[4WD]
低排ガス性能と軽量、静粛性の向上
今やトレンドとなりつつあるエキマニ一体式ヘッド。排気経路が短くなるため、ターボの応答性が高まるほか、触媒暖機も早まって排ガス性能も良くなる。高負荷時には排ガスを冷やせるため、燃料冷却も最小限で済む。
耐ノック性とフリクション化。軽量化に貢献
シリンダーの内面は、平滑な中に深い油溝があるのが理想的。ミラーボアコーティングの採用によって、ボア全体に気孔と呼ばれる小さな穴が分散して形成。クロスハッチの代わりに潤滑油を確保しつつ、ボア表面粗さ低減の両立が可能になった。従来のプラズマ溶射と比べても、フリクションは21%低い。
インテリジェント高速道路ルート走行を実現したProPILOT2.0
いざという時に支援を行なう緊急停止SOSコール
各種のカメラとセンサーで360度センシング
3D高精度地図データ
デザインの魅力と視認性を両立
自由曲面ミラーで省スペース化
日産国内初の7インチディスプレイ
薄型映写部の採用で搭載性を向上
直接視界と表示の一致
表示色の変更でハンズオフの可否を伝える
ダイレクトアダプティブステアリング
状況に応じて減衰力を連続的に可変
操舵角とタイヤ角を独立制御
DAとIDSを連動
DASの意のままハンドリング
減衰力を緻密に制御し車体の挙動を安定
車輪速センサーをストロークセンサーとして利用
IDSがユニークなのは、車体姿勢制御に加速度センサーではなく車輪速の回転変動を利用しているところ。前後サスはアンチダイブやアンチスクォート特性を持たせるため、車体に対してわずかに前後しながらストロークする。加えて車輪速センサーはホイールに対してワインドアップ角変化を生じ、このふたつが車輪速の回転変動となって現れる。車速検知の面からは「ノイズ」と思われていたが、車輪速変動速度とストローク速度が比例関係にあることに気付いた瞬間、ノイズが「有用なデータ」となった。
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