先月から一段と注目されている危険ドライバーによるあおり運転。テレビやウェブサイトで映像や写真を目にすることが多く、ドライブレコーダーの購入を検討している人も多いだろう。そこで今回は「あおり運転」対策に効果的なドライブレコーダーの選び方を紹介。
REPORT●浜先秀彰(HAMASAKI Hideaki)
後続車ドライバーの表情まで捉える! 2カメラ型 後方撮影タイプ
ドライブレコーダー市場で今もっともニーズが高まっているのがこのタイプ。多くのメーカーからさまざまなモデルがリリースされている。
本体は通常のドライブレコーダーと同様にフロントウインドーに装着を行い、サブカメラはリアウインドーに両面テープで貼り付ける。本体とサブカメラの間は電源/映像ケーブルで接続される。
2つのカメラの映像は本体内の1枚のマイクロSDカードに記録されるが別々のファイルに納められる。上の写真のようにパソコン向け専用ビュワーソフトを利用すれば前後の映像が同時に見られ(一部メーカーを除く)、後ろから来たクルマが目の前に割り込むような一連の動きが確認できる。ただしボディ側面は死角になる部分もあるので幅寄せなどの動きはわかりにくい。上級機種ではサブカメラでもフルHD以上の画質を備えているため夜間でなければ後続車両のナンバープレートがはっきりと読めるうえ、ドライバーの表情や動きまで確認が可能だ。
暴漢にも高い効果を発揮する! 2カメラ型 室内撮影タイプ
先月発生したあおり運転の事件で注目されているのが室内も撮影できるモデル。以前はタクシーやバス、トラックなど業務車両向けで使われることがほとんどだったので、乗用車用の製品はそれほど多くない。
上の写真のように本体に2つのカメラを内蔵したモデルもあれば、後方撮影タイプのように本体にサブカメラを付属したモデルもある。これは車種に応じて選択すれば良いだろう。
このタイプも2つのカメラの映像は1枚のマイクロSDカードに収録され、多くのモデルでは専用のパソコン向けビュワーソフトで車両前方と車内の映像が同時に見られる。後席も含め車内全体をカバーしているため暴漢に襲われるようなケースでも確実に被害状況の記録が可能だ。赤外線ライトを搭載しているモデルであれば夜間もよく見える(映像は白黒となる)。また、サブカメラが広角タイプの場合にはリアウインドー越しに後方車両の動きも確認ができるがナンバープレートまでは読み取りにくい。
室内とクルマの周囲が丸見え! 360°カメラ型
製品ラインアップは少なく価格も高い(実勢価格は3~6万円前後)のだが、あおり運転対策にきわめて有効的なのが360°カメラ型だ。
これは360°の範囲を撮影できる特殊なカメラを使用したもので、1つのカメラを搭載した「全天周」タイプと、2つのカメラを搭載した「全天球」タイプがある。全天周タイプではカメラを下向きに装着し、水平360°、垂直200°前後(製品によって異なる)のエリアをカバー。全天球タイプではカメラが前方や後方を向くように装着し、水平360°、垂直360°のエリアをカバーする。
全天周、全天球どちらも室内とすべての窓から見える車両周囲の状況が記録でき、後方であおり運転をしていたクルマが前方に回り込んで停車するという一連の動きをすべて記録可能だ。幅寄せ運転やリヤドア付近への当て逃げなども捉えられる。
ただし記録される映像は円形のもので、これを専用のスマホアプリや専用のパソコン向けビュワーソフトで見やすい平面の状態に修正して表示する。全天球タイプの場合には2つの円形の映像を合成する。見たい場所を選んだり一部を拡大して見ることも可能。
ここまで3タイプの特徴を紹介したが、次回からは各タイプのオススメモデルを紹介する予定だ。