横浜ゴムはウルトラワイドベースタイヤ「902L(キューマルニ・エル)」を2019年9月2日より全国のヨコハマタイヤ販売会社を通じて販売開始する。同商品はオールシーズンタイヤで455/55R22.5 164Lの1サイズ、価格はオープンプライス。
ウルトラワイドベースタイヤとは、トラックに装着される複輪(2本1組)を単輪(1本)に置き換えることができる超偏平シングルタイヤ。単輪への置き換えにより、タイヤ組み換え・日常点検などの省メンテナンス化や、1軸当たり約85kgの軽量化※1が可能となることから、例えば後輪2軸の大型トラックでは、約170kg※2の積載量を増加させることが可能。
「902L」は、タイヤの回転方向と平行なスチールベルト層を有する独自開発のベルト構造「SpiraLoop(スパイラループ)」を採用。これにより、走行によるショルダー部の成長とベルト部の歪みを抑制させ、優れた耐偏摩耗性と耐久性を確保することができ、タイヤの長寿命化に貢献する。また、トレッドパターンでは小ピッチブロックやスプリットクローズドサイプによりトラクション性能を高めたほか、転がり抵抗を低減するウェーブドグルーブ、排水性と操縦安定性に配慮した7本溝パターンを採用した。横浜ゴムはすでに北米市場にて同サイズ「902L」を投入しており、好評を得ている。
横浜ゴムでは近年のトラック用タイヤのシングル化需要に合わせ、ワイドベースの商品を豊富にラインアップしている。タイヤ幅385mmのワイドベースタイヤは、日本市場のトレーラー向け商品として、リブタイヤ「RY357」やオールシーズンタイヤ「MY507A」、スタッドレスタイヤ「901ZS」を販売中。タイヤ幅400mmを超えるウルトラワイドベースタイヤは、バスサイズである275/70R22.5の後輪用タイヤのシングル化として435/45R22.5の「TY517E」を2009年より導入。今回は11R22.5の後輪用タイヤのシングル化として、455/55R22.5の「902L」を横浜ゴムとしては日本で初めて本格導入する。
横浜ゴムは、2018年からスタートした3カ年の中期経営計画「グランドデザイン2020(GD2020)」においてタイヤ生産財事業を次の100年の収益の柱とすることを掲げ、トラック・バス用タイヤの拡販に取り組んでおり、独自技術である「SpiraLoop」を採用した超偏平シングルタイヤを積極的に展開している。