「背の高いAクラス」となったメルセデス・ベンツの新型Bクラス。ならばどれくらい違うのかを比べてみよう。
「Bクラスが新たに手にしたものは、伸びやかな躍動感が満ちるスポーティなエクステリアと、大きなゆとりに包まれる開放感あふれるインテリア」と、Bクラスのウェブページには紹介されている。デビュー以来、一貫して背の高い広々としたキャビンを小さなボディで展開することを目指してきたクルマで、つねにその背景にはベース車とも言えるAクラスが存在していた。Aクラス自体は初代/2代のハイト系コンパクトに対して3代/現行のスポーティハッチバック車という方向転換がなされたが、Bクラスは先述のように「広いファミリーカー」の世界を貫いているのが特徴だ。
というわけで、これまでのA/Bクラスの印象は同じボディスタイルで「小/大」だったが、現行A/Bクラスについては「低/高」という具合に変わった。プレマシー/アクセラ、メガーヌ/セニック、C4/スペースツアラー(旧ピカソ)などを挙げればイメージできるだろうか。
ホイールベース値が同じなので2台の側面視で重ねてみると、両車の違いが見て取れる。全長と全幅はほとんど変わらず、高さが145mm違う。
もう少し具体的に眺めてみよう。キャビンが大型化しているのがBクラスの特徴だが、案外ショルダーラインはそれほど変わらず、しかしAクラスよりも下端は下がっているのがわかる。前後ドアともにパーティションラインはほぼ同じで、後ドアについてAクラスは後端が大きく切れ込み伸びる形状なのに対し、Bクラスはまっすぐなサッシュに向かって上方に向かっている。というわけでAクラスは後ドアのガラスにピラーが立ち、前部だけが降りる/後部ははめ殺しという仕組み(切れ込んでいる部分を避けている)、対するBクラスはガラスが一枚構造で、画像から判断するにすべて下りる構造か。さらに6ライトキャビンにしている。
大きな差異と言えるのが前ドアまわりで、BクラスはAピラー根本がAクラスより前になっている関係で突き出し部が生じている。ドアミラーの位置もBクラスのほうが前寄りになっていて、ヒップポイントが上がったことによる調整だろう(ステアリングの位置には大きな違いがない)。
ルーフラインは、きれいにAクラスの上を描く格好。しかしBクラスのリヤドアの傾斜角は立っていて、ボディ後端の切り立った形状からもその様子がうかがえる。
高さが大きく異なるだけに、前後比較するとその差が際立つ。
側面視でもご覧いただけるように、ノーズまわりには大きな高さや形状の違いはなく、フロントフードの前端に少々の違いが現れるくらい。グリルについては、Aクラスが下ピークの六角形グリル+1本バーなのに対して、Bクラスは上ピークの六角形グリル+2本バー。フロントガラスの位置の違いは当然ながら大きく違い、ヒップポイントの高さも画像からよくわかるだろう。リヤまわりでは、先述のようにリヤドアの傾斜角に大きな違いがあるものの、開口部の下端はむしろBクラスのほうが低い。側面の倒れこみ度合いについては、Aクラスのほうがタンブルが強いようだ。