BASFは8月1日、同社のエキスパートが顧客とともにコンセプトやアイデアを創造的なソリューションへと変換するクリエーションセンターを、横浜イノベーションセンター内に開設した。
クリエーションセンターでは、BASFの素材サンプルや用途事例などを備え、顧客がBASFの素材を活用して、新製品やソリューション、既存製品の改良のアイデアを発見(Discover)、理解し(Understand)、そして、創造(Create)するためのリソースを提供。顧客は、BASFのデザイナーとともに素材を手に取りながら吟味し、素材について学べるタブレットなどの対話型デジタルツールを使用したり、素材やアイデアを生み出すコンサルティングワークショップに参加したりすることができる。BASFのエキスパートは、デザイン開発から、CAEを利用した高度なシミュレーション、試作支援までを一貫して提供する。
BASFジャパンのパフォーマンスマテリアルズ事業部執行役員事業部長・山本勇氏は次のように述べている。
「私たちは、ひらめきが起きる環境で、お客様に、実際に素材を触り、探索することで、新しい可能性を発見していただきたいと考えています。自動車、家電、スポーツ用品、家具の分野をはじめ、日本はアジアのイノベーションの中心であると考えており、これらのお客様への開発支援をさらに推進してまいります。BASFは、デザインに関する市場の最新のニーズを満たし、デザイナー、エンジニア、開発者が、当社の材料ソリューションを活用して、新製品の開発ができるよう、この試作支援・検証能力を向上させたコラボレーション拠点で、お客様にさらに寄り添った価値の共創を目指します」
また、BASFのアジア太平洋地域クリエーションセンターリーダーである、アレクサンドル・ドレイヤー氏は次のように述べている。
「デザイナーは、製品の形状、表面、色、触り心地、エルゴノミクスを決めるだけでなく、製品開発の初期段階で使用する素材も決定します。クリエーションセンターでは、デザイナー、エンジニア、開発者がBASFの高性能材料の可能性を最大限に追求し、将来の製品を生み出すきっかけを提供します」
アジアでは、すでに5月に、インドでクリエーションセンターを開設している。今回の日本での開設に続き、上海でも今月中に開設される予定。
日本では2014年に、横浜イノベーションセンター内に素材とデザインに関する用途開発の促進やアイデアを提供するデザインファブリークを開設しており、同センター内の、シミュレーションツールであるCAEや材料試験の機能を持つエンジニアリングプラスチック・イノベーションセンター(EPIC)と連携してきた。今回、グローバルでのクリエーションセンター開設を機に、デザインファブリークの名称をクリエーションセンターに変更し、さらに連携を強化していく。2019年10月には、EPIC内に新型成形機の導入を予定しており、現在の市場のニーズに合った、材料試験、試作支援、検証能力を提供する。