TEXT:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro)
世界で初めて電動パワーステアリングシステムを市販車に向けて供給したJTEKTだが、今回の展示会でも未来を見据えた意欲的な製品を展示していた。
それがレアアースの使用を抑えた重希土類フリーのIPMモータ(埋込磁石型モータ)だ。既存のSPMモータ(表面磁石型モータ)構造と比較して、このIPMモータでは約2倍の定格トルクと世界最高レベルの低トルク変動を実現している。
現行のネオジウム焼結磁石には重希土類が含まれるが、異方性ボンド磁石とすることで重希土類フリーを達成した。素材を置き換えるだけでは磁束密度が不足するため、磁石とロータ形状を最適化(V字形状)した。射出成形できるから製造工程2/3を削減できる。
本製品は2019年1月より自動車部品用アクチュエータ向けに生産を開始している。今後は更なる耐熱性の向上を図り、自動運転に対応する電動パワーステアリングやEV化に対応する電動オイルポンプをはじめとする多くの自動車部品での活用に向けて更なる開発を推進するとのことだ。