ディーラーやカー用品店のピット、整備工場、鈑金塗装工場などで使われるクルマの整備・修理用ツール・機器類の展示会「第36回オートサービスショー2019」(主催:日本自動車機械工具協会)が5月16~18日の3日間、東京ビッグサイト・青海展示棟で開催。そのなかから、ユーザーがクルマの整備・修理を受ける際に役立つ整備機器をピックアップする。
PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
粘着テープや研磨剤、フィルターなどを主力とする3Mの製品は、オートアフターマーケットの世界では主に車体修理の分野で幅広く使われている。具体的には、鈑金では構造用接着剤・テープや塗膜除去用のサンダー・ペーパー、塗装では足付け用のペーパーやマスキングテープ、使い捨て塗料カップ。塗装後の磨きではコンパウンド・バフ、さらには防塵・防毒用マスクといった保護具などが挙げられる。
そのなかで磨きの分野においては「小径磨きソリューション」として、小面積の傷・凹み修正部位に加え、サイドステップやピラー、バンパーといった、細いもしくは形状が複雑な部位の磨きに適した新製品を出品していた。
2018年11月にリニューアルされた「QTシリーズ」コンパウンドは、従来品に対し砥粒を変更するなど配合を見直すことで、深い傷が入りにくいようにしながら切削性能を維持。仕上がり品質向上による作業時間の短縮を図っている。
また、新規開発された75mm径サンダー用「ミニスポンジバフ」は、サンダーとの間に装着するパッド面の端部を覆い隠す設計とし、狭い部位でも傷を付けにくいよう配慮。これに適したサンダーとしては、オーロラマーク(オーロラ状の磨き傷。シングルアクションサンダー・ポリッシャーで発生しやすい)が発生しにくい「ピストルグリップダブルアクションサンダー」が紹介されていた。
ADASの普及・進化によって、事故件数が減少するとともに事故時の被害も低減傾向にあるため、車体修理の分野においては軽補修やコーティングの需要喚起・対応力強化が急務となっている。3Mの「小径磨きソリューション」は、こうしたトレンドに高いレベルでマッチしたものと言えるだろう。