本格フラットトラックレーサーのいで立ちでありながら、公道仕様車であるというのがバイク好きを惹きつける。インディアンモーターサイクルの本拠地アメリカにて、モータージャーナリストの和歌山利宏氏が、デリバリー前のFTR 1200に乗った。
REPORT●和歌山利宏
FTR1200……1,899,000円
FTR1200S……2,099,000円
フラットトラックレースへの復帰1年目にしてシリーズチャンピオンを奪取したインディアンモーターサイクル・FTR750。このFTR750と同様のスタイルを持つコンセプトモデル、FTR1200がインターモト2018に発表されたのは記憶に新しい。
FTR750譲りのデザインが施されたボディに、約120PS(90kW)の新型1203cc/水冷DOHC V型2気筒エンジンを搭載。シリンダーヘッドは高流量に設計し、圧縮比は12.5:1。軽量設計のクランクシャフトは、低慣性化により鋭いピックアップを実現する。スポーティな乗り心地のトレリスフレームには、φ43mm倒立フォーク、ブレンボ製ラジアルマウントディスクブレーキを組み合わせる。
……と前置きが長くなったが、その発売が眼前に迫っているFTR1200に、モータージャーナリストの和歌山利宏氏がいち早く試乗する機会を得たので、そのインプレッションを速報でお届けしよう。
和歌山利宏impression
「見た目はフラットトラッカーそのものでも、やや大柄な印象は否めないし、足着き性はアドベンチャー系並みで決して良くはない。しかし、燃料タンクがシート下に設置され、低重心感があって安定していて、車体もスリムだから乾燥重量222kgを思わせないぐらいに扱いやすい。エンジンマナーはすこぶる良好で、神経質さはない。粘りがあって深いトルクが湧き出てくるので、普通に使えるうえに、ぜいたくな気分にもなれる。そして、感銘的なのは、ワインディングでの走りだ。コーナリング性能そのものが秀逸なうえに、19インチのフロントと大きめのサスストロークのおかげで、荒れた路面の走破性も抜群。寛容だからこそ無心に楽しめる。FTR1200の本質は、今日的なスタンダートスポーツだったのだ」