フルエアロが装着されたイングスの86にて、空力パーツの効果を実証する企画の第2回目。鈴鹿サーキットにて、GTウイングを極端に立てたらどれくらい最高速が落ちるのか興味本位で試してみる。テスターはレーシングドライバーの佐々木雅弘選手だ。
Test3 GTウイングを極端な角度まで立てると最高速はどれくらい落ちる?
連載「第1回目」をチェックしてもらったことを前提に、Test3に進もう。ここではGTウイングの角度を調整する。極端に立てるとダウンフォースはさらに向上するのか? 最高速はやっぱり落ちるのか?
Test3 GTウイングを極端に立てた状態
ラップタイム 2’26.906
最高速 204.42km/h
しかし、想定とは逆の結果となった! なんと、通常の角度のときよりも130Rまでの最高速が204km/hまで伸びる結果に(通常の角度でガーニーフラップありが201km/h、ガーニーフラップなしが203km/h)。
最高速の数値自体は伸びたが、ラップタイムは適正な角度だったTest2の状態から1.3秒も落ちてしまった。
佐々木雅弘選手は「リアの挙動がなんだか不安定」という。S字区間でもアンダーステアで向きが変わるのが遅くなってしまった。スプーンふたつめでは極端なアンダーステアが発生している。
コーナー進入ではアンダーステアを助長させる結果なのだが、バックストレートの最高速が204km/hまで伸びているのはなぜか? これは極端に立てたことで、高速域ではウイング効果がなくなったことが推測できる。
3D形状のウイングでは、角度を極端に起こしてもダウンフォースが比例して高まるわけではない、逆に起こし過ぎたことでウイング効果がなくなってしまい、未装着並み(テストは次回に掲載)に最高速は上がったことのようだ。■取材協力 イングス TEL0744-42-0611 https://ings-net.com/
次回はここからGTウイングを外した状態での最高速やラップタイムの推移を報告する。