三菱重工グループの三菱重工工作機械は、高精度な歯車製造システムの中国市場向け提案を強化する。その一環として、北京市で15日(月)から20日(土)まで開催される「CIMT 2019第16回中国国際工作機械展覧会」に、最終製品としての歯車の歯形形状誤差を1μmレベルに抑制できる歯車研削盤「ZE26C」の実機を中核とする一貫歯車製造システムを出展する。
ZE26Cは、最大外形260mmまでの焼き入れ後歯車を仕上げ加工するためのもので、これまで市場で好評を博してきた「ZE-B」シリーズを大幅改良することで高性能化した。具体的には、コラムやテーブル、砥石ヘッドなどの剛性を高めるとともに主軸構造も見直すことで、加工精度の向上と安定性を確保。また、高速加工に加え、非加工時間を従来機の約半分まで短縮することにより、量産能力が高まりランニングコストの低減をはかることができる。さらに、砥石幅を従来の125mmから最大160mmに拡張したことにより、交換頻度の削減や超仕上げ(ポリッシュ)砥石の同時装着にも対応できるようになり、より精度の高い加工を実現。加えて、業界初の水溶性クーラント採用(オプション仕様)により、環境配慮性と省エネ性も高めた。
CIMT会場では、中国・常熟市(江蘇省)の工場「三菱重工(常熟)機械有限公司」で現地生産した切削油不要のドライカットホブ盤「GE25A」も実演展示する。新製品も含めた精密切削工具も展示し、歯車の粗加工(歯切り加工)から仕上げ加工、さらには対応する切削工具までパッケージでワンストップ提案できる三菱重工工作機械の強みを、実演加工によりアピールする。なお、 ZE26Cの実機を展示会でお披露目するのはこれが初。