さあ、春到来! 新たにクルマを購入することで、スポーツドライビングを楽しみたいというフレッシュマンが増える時期。また、ビギナーから卒業し、クルマを乗り換えて、新鮮な気持ちでスタートを切りたいというステップアップ組が増えるのも春ならでは。そこで、ここではレブスピード流にドラテクの上達やチューニングを楽しみやすいクルマという観点から、オススメの車種を紹介していく。
第2回目は、スポーツドライビングにおいて人気の中古車を取り上げる。有力ショップがアドバイザーとして、相場観や選ぶべき年式やグレード、その車種ならではの楽しみ方を指南するので、楽しいクルマ選びに役立ててほしい!
Text●蔵田智洋,杉野勝秀(COOLARTS)
【86/BRZ86/BRZの中古車相場は前期型も値崩れは小さい。ビギナーならあえてAT車を狙う手もあり
アドバイザー ●GTNET 大阪 大阪府茨木市西豊川町4-18 TEL072-640-1000 https://www.gtnet.co.jp/【FFコンパクト系】スイスポが人気だが、確かにベターだが穴場はCR-Z
アドバイザー ●GTNET 大阪府茨木市西豊川町4-18 TEL072-640-1000 https://www.gtnet.co.jp/ | |
【ロードスター】歴代ロードスターではお気軽に購入できるNA/NBがまだまだ主役
アドバイザー ●タイヤプロショップアリーナ 愛知県津島市神守町字古道46 TEL 0567-28-8830 http://arena-by-emc.com | |
【シビック タイプR/インテグラ タイプR】歴代タイプRでもFD2は今がチャンス!DC5やEP3も狙い目だ
アドバイザー ●HMRホンダ 東京都武蔵村山市残堀1-38-2 TEL042-520-7577 https://manaboon-honda-sports.jp【軽自動車】入門用としてモデルによっては予想以上にお金が掛かるが、スキルアップには役立つ
アドバイザー ●ナビック 京都市山科区勧修寺御所内町128 TEL075-575-4433 https://www.navic-kyoto.jp | |
「軽自動車の最大のメリットは、やはりクルマにしてもパーツにしても経済的だということです。NA エンジン+ 5 速MT のエッセ、ミラ・バン、アルト・バンをベースにしてK カーレース仕様をつくっても総額50 万から60 万円でできますから。旧めのベース車でも純正パーツが同じメーカーの他車種との共通化が進んでいるので、入手に困ることはありません。
デメリットは強いていうと『普通車に比べて非力なこと』くらいですか。でも全開にして走る楽しさがあります。それに少ないパワーをていねいに使って走る高度なドライビングテクニックを要求されます。速過ぎといわれているアルト・バンHA23V ならヴィッツのカップカーと同タイムで走れますから。ベース車の5MT 仕様もまたまだ探せば出てきます。クルマを大切にしてきた中高年が元オーナーで、サーキットなんか走ったことのない、ボディがヤレていない個体なら最高です。
そう考えると、ホンダS660 は中古車でも130 万円から150 万円。サーキットを存分に走れるようにすると総額200 万円は覚悟しないといけなくなります。そうなると「普通車のほうがいいじゃないか」となるわけです。軽自動車であるメリットが薄くなります。現行のアルト・ワークスは、L.S.D. とS タイヤを装着すると転倒しやすくなるので、走りには注意が必要です」
【RX-8】ロータリーの中古でもコンプレッションに問題ながければお金は掛からない
アドバイザー ●レッグ モータースポーツ 広島市安芸区船越南3-18-13 TEL 082-823-5888 http://www.leg-sport.com【S2000】AP1とAP2では、高回転の伸びを楽しめるAP1がオススメ
アドバイザー ●ジョイライド 埼玉県桶川市末広2-2-7 TEL 048-782-6881 https://www.joy-ride.co | |
「S2000 は何といっても9000rpm まで回るエンジンとコーナリングが気持ちいいクルマです。普段もオープンカーとして楽しめるのがいいですね。ただ、AP2 の2.2 ℓエンジンは8000rpm までとなりますので、オススメはAP1-200 と呼ばれる2 ℓでMT、L.S.D.、ボディ補強などの改良が進んだ、平成15 年からの後期モデルとなります。相場は200 万円以上です。前期型は150 〜 200 万円くらいが相場で、距離も10 万kmくらい走っていますが、カムはチェーン駆動なので調整不要。メンテナンスはオイル交換をしっかりとしていれば、元気に走れます。クルマ選びの際にもレベルゲージやオイル漏れ痕などをチェックしてください。
メンテナンスとしては、もともとオイルを少し消費するエンジンなのでオイル残量には注意が必要です。またブレーキホースが弱く、5 〜 6 年くらいで劣化してしまう例があるので、ここも早めの交換が必要です。あとはブレーキパッドとフルード交換をすれば、サーキットが走れます。足まわりは車高調、サスアームやマウント類のブッシュ交換を。クラッチペダルが重ければ、純正新品交換で解消します。L.S.D.はオイル容量が750ccと小さいのでまずはノーマルのままで十分ですし、機械式L.S.D. を入れるならOS 技研デュアルコア2way と、トラスト製の大容量デフケースをセットで装着したいです。純正水冷オイルクーラーがあるので熱対策はラジエーター交換のみ。中古エンジン
は20 〜 25 万円で販売されているので、載せ換えも可能です」
【Z33/34 フェアレディZ】かなり安値で売ってるZも問題ない!入門用にも最適
アドバイザー ●ガレージ4413 神奈川県足柄上郡開成町吉田島770-4 TEL0465-33-7700 http://www.garage4413.com | |
「FR で比較的新しくてパワーオーバーにできる国産車はZ33、Z34しかないです。富士スピードウェイで使いきれる、ちょうどよいパワーですから、初めてサーキットを走る人も最初からZ でよいと思います。コーナーが速く、セッティングとドライバーの腕次第でタイムが上がっていくのもよいですね。
相場は10 万km のZ33 で50 〜 60万円くらい。車高調サスが付いて、L.S.D. とオイルクーラー付きなら70 〜 80 万円から。Z34 は10 万km で200 〜 300 万円の純正アケボノ4POT キャリパー付きを、Z33 なら純正ブレンボ付きにすれば、パッドとフルード交換、バケットシートと4 点式ベルト装着のみで走り出せます。
NA だからほとんど壊れないし、中古エンジンの価格は約20 万円ほど。6 速MT は進化した最新型が約20 万円であるなど、安価に載せ換えられる恵まれた環境です。ハブ自体が割れるトラブルがあるので注意が必要ですが、あとはオイル交換とその温度管理をすれば、問題なくサーキット走行を楽しめます。
Z34 はフェールセーフでエンジンが吹けなくなるのでその範囲で走り、将来的にオイルクーラーを装着したり、車高調、L.S.D. を装備し筑波を1分2 秒台くらいで走れるよう、練習する。タイヤはRE-71R やディレッツァZ Ⅲなら1年に1セットで毎月1回以上走れるので、皆さんが想像するほどのコストは掛からないですよ」
【R32/33/34スカイラインGT-R】第2世代GT-Rは希少車プレミア価格でもよければどうぞ
アドバイザー ●プロストックレーシング 埼玉県三郷市高州1-253 TEL048-948-0774 http://www.prostock.co.jp | |
【R35 GT-R】イジらなくても速そうだが、足まわりのリフレッシュやクラッチのメンテをする必要が
アドバイザー ●565 神奈川県横浜市都筑区荏田東2-1-7 TEL045-550-3565 http://www.565.co.jp【WRX STI】歴代WRXでもGDBならだいぶ買いやすいが、大事なのはメンテ履歴
アドバイザー ●ゼロマックス南関東 神奈川県相模原市南区古淵1-31-16 TEL042-707-0361 http://www.zeromaxminamikantou.co.jp | |
【ランサーエボリューション】人気が高く相場も高値安定が続く。狙いはエボⅦだ
アドバイザー ●GTNET大阪 大阪府茨木市西豊川町4-18 TEL072-640-1000 https://www.gtnet.co.jp | |
「走行距離が少ない程度のいいランエボが少なくなり、年式が旧くなっても中古車相場は下がっていません。当店での取り扱いは第二世代のエボⅤからが多く、人気はチューニングすると確実に速くなる第三世代のエボⅧ、エボⅨですが、まだまだ車両価格が高いですね。4G63 型エンジンは極めて丈夫なエンジンで過走行車でもOK。ただし、タービンはエンジンより早く寿命が来る消耗部品だと思ってください。
狙い目なのがエボⅦ。AT 仕様のGT-A を含めると歴代ランエボで最も販売台数が多く中古車価格はリーズナブルです。中身はエボⅧ、エボⅨと共通の部分が多く、ベース車としてお手頃なクルマです。前後フェンダーを片側3㎝ずつワイドに設定する「C-WEST ランエボVIII GT-TYPE」もエボⅦに装着可能。また、GT-A ならより安く中古車が買えます。MT にこだわらないならアリな選択ですね。
エボⅩにはSST 車のトラブルが続発していますが、ディーラーではASSY交換で100 万円コース。GTNET では故障状況によりますが20 万~ 50 万で修理実績があります。AYC もマメなメンテが必要。費用を惜しんでメンテを疎かにすると数十万円の修理代に膨らんでしまうので要注意。足まわり、タイヤ、ブレーキパッド、冷却系などランエボは買った後のメンテが大切です」
REVSPPED流【走れる中古ベース車探し2019春インポートカー編】はこちら