明電舎は、FEV Group Holding GmbH(FEV)の100%子会社であるエフ・イー・ヴイ・ジャパンと業務提携し、日本国内における販売契約を3月に締結した。
現在、自動車市場は100年に一度の大変革時代に入っており、電動化や自動運転を主体とした「CASE(ケース)注1」と呼ばれる次世代車両への投資が拡大している。今回の業務提携では、自動車のモデルベース開発(注2)による設計・開発のデジタル化を支えるため、FEVのソフトウェアを、明電舎の自動車動力計測システムと組み合わせて、2019年4月より日系の完成車メーカー、自動車部品メーカーなどに明電舎が販売していく。
FEVのソフトウェアは、高機能なオープンプログラムとして一般的な性能評価を実行するだけでなくユーザモデルを取り込んだ試験環境の構築により、自動車関連製品のモデルベース開発を加速、業務の効率化と期間の更なる短縮を実現する。
2019年7月には、明電舎太田事業所の開発実験棟内に「電動車両用デモベンチ」を新たに設置する。明電舎製のダイナモメーター、操作計測盤に、FEVのソフトウェアである『オートメーションやリアルタイム・シミュレーションを実行する“MORPHEE(モルフィー)”』と『複数のシミュレーションツール間の連成シミュレーションを促す“xMOD(エクスモッド)”』を組み込んだ新しい試験システムを実際に見られる。本デモベンチは製品販売の促進だけでなく、顧客への試験サービスを提供するとともに、明電舎のEV事業用の研究開発用設備としても活用していく予定。
今後両社は、次世代技術開発に必要な製品事業の拡大と試験の請負などを行うエンジニアリングサービスの提供を目指し、協業体制を強化していく。
注1:CASEとはConnect(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)、Electric(電動化)の頭文字で作られた言葉。
注2:経済産業省が2017年度から開発におけるIT活用として推奨している手法で、元々自動車の設計開発を紙ベースの仕様書から行っていたことをシミュレーションで「動くクルマ」に再現し、開発・検証を行うもの。手戻りが少ないため、開発時間の短縮化できるとされている。