ヘルメットメーカーのSHOEIと、自動車用表示機器メーカーのNSウエストが共同開発した「ヘッドアップディスプレイ」内臓のフルフェイスヘルメット「IT-HL(参考出品)」。東京モーターサイクルショー2019にて、話題の最先端ヘルメットを体感。道路上にナビゲーションが表示される、その“自然な見え方”に驚いた!
PHOTO●北 秀昭(KITA Hideaki)
REPORT●山田俊輔(YAMADA Syunsuke)
「ヘッドアップディスプレイ」って何だっけ?
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ヘッドアップディスプレイ付きヘルメットを、実際に使ってみた感想は?
ヘッドアップディスプレイ機能を備えた「IT-HL」は、ナビゲーションに加え、スマートフォンの着信表示やバッテリー残量も表示。開発時は「スピードも表示してみては?」という意見もあったが、「まずは最小限の情報で!」という理由から、上記表示のみに留めている。
専用クランプを使ってハンドルにスマートフォンを固定した場合、「首を動かす必要がある」「目の視点を変えなければならない」等の“デメリット”がある。
人間の目は、視点を変える=ピントを合わせるのに、一瞬ではあるが時間を要する。ちなみに人間の目のピント調節機能は、歳をとるにつれて衰えてくる。
視点を変える行為は、前方不注意を招く行為。これはバイクに限らず、自動車のナビゲーションシステムも同じ。ナビ誕生時から指摘されていた問題点だ。
ヘッドアップディスプレイ付きヘルメット「IT-HL」の機能をチェック
バッテリーは別体式で、持続時間は約8時間。今回使用した「IT-HL」は、バッテリーを腕に巻き付けるタイプ。
ヘルメットへの内臓も可能だそうだが、重量が重くなってしまう。また、デザイン的に格好悪くなってしまうため、「IT-HL」は別体式としている。
スマートフォンの「ブルートゥース」機能を使い、スマートフォンからの情報を受信する「IT-HL」の内部には、ヘッドホン機能やスピーカー機能も内蔵。ヘルメットを被ったまま電話の受信、電話の会話、電話の切断、会話音の調整なども可能だ(ヘルメットの左側には、電話受信スイッチ、電話切断スイッチ、音量調整機能も装備済み)。
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「IT-HL」は現況、ナビゲーション、スマートフォンの着信表示、バッテリー残量など、最低限の情報を表示されるしくみとなっている。
今回の東京モーターサイクルショー2019で来場者から様々な意見を聞き、「どの機能を盛り込むのか?」「市販化時の価格設定」等々を再検討する予定。市販化が待ち遠しいところだ。
■SHOEI https://www.shoei.com
■NSウエスト http://www.nswest.co.jp