UberとLyft。かの地で二大勢力ともいえる配車サービスである。ご存じCESの会場はあちこちに分散し、アクセスするのも一苦労。そこで、Uberを利用してみることにした。
日本で暮らしていると信じられないことだが、外国ではタクシーでのトラブルが少なくないらしい。不明瞭な料金やルートというのがわかるのは、現地で頻繁にタクシーを利用している人だからできる芸当。観光や仕事で初めて訪れた場所であれば、不利益を被っていることすらわからない可能性だってある。
その点、Uberであれば心配は無用。現在地と目的地の距離と交通環境、ドライバーの状況と種類などから自動的に料金をあらかじめ算出、「この金額ならどうかね」とユーザーに示してくるのだ。
日本であらかじめアプリをダウンロードし、支払情報であるクレジットカード関連を用意、渡米後すぐに使えるようにしておいた。
手順としては、アプリを立ち上げて目的地を入力、アプリから乗車種別と料金の提示、いずれかを選択して待機して迎車待ち、乗車して目的地に着いたら降車、これだけである。料金ならびにチップはアプリから自動的に支払えるので乗車時の手続きは一切不要、乗車記録が残っているので履歴や領収書の類いに困ることもない。
ちなみに上の画面において、「エコノミー」というカテゴリにおけるUberPoolというのが相乗り。UberXというのは日本でいうところの白タクである。ほか、6人乗りのUberX版であるUberXL、いわゆるハイヤーにあたるSelect、介助を必要とする人のためのAssistがメニューとして現れた。
ドライバーにとっても、シートが余っているクルマを有効に使いながら小遣い稼ぎができるのだろう。また、利用者からのフィードバックがつねに寄せられているので、いわゆる危ないドライバーに遭遇する可能性も回避できる。
走行ルートによっては乗り合い状態になることも少なくない。CESの期間は朝夕の会場アクセスは地獄のように混むので、レートも上がるし複数名乗車も当たり前。しかし考えてみればこれこそがクルマの有効活用という意味ではいちばん素直ではないだろうか。
自動運転車に乗車して、その威力にあらためて感銘を受けた。しかし一方で、渋滞が著しい都市部の交通環境の改善を目指すなら、4座ないしは5座、下手をすれば7座や8座のクルマにひとりあるいはふたりしか乗っていない状況で渋滞している、しかもその大半が向かう方向が一緒というのなら、配車サービスのもたらす効果は非常に大きい。レベル5を想定した自動運転バスやコミュータの開発が各社で進められているが、じつはもっとかんたんかつ確実に課題をクリアできるのではないだろうか。そんな感想を強く抱いた。