日産自動車株は30日、新型EVレーシングカー「NISSAN LEAF NISMO RC」を、東京銀座にあるニッサンブランドのグローバル発信拠点「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」で初公開した。NISSAN LEAF NISMO RCは、日産のモータースポーツを担うNISMOのレーシングテクノロジーによって開発され、前型の2倍以上の最高出力と最大トルクを発揮する。
新型NISSAN LEAF NISMO RCは、市販の日産リーフのドライブトレーンを主要パーツに使用して作り上げたレーシングコンセプトだ。前型のリーフでも同様のNISSAN LEAF NISMO RCを製作している。将来、ワンメイクレースなどの展開が期待されるが、現状ではあくまでも日産の「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」の取り組みを表現するためのコンセプトという位置づけだ。
前型と同様に新型NISSAN LEAF NISMO RCはCFRP(カーボンコンポジット)製のモノコック構造に同じくCFRPで補強されたサブフレームを持つ生粋のレーシングマシン構造だ。前型がモーター1基だったのに対して、新型は前後に2基のモーターを積む。最大トルクは640Nmとなり、0-100km/h加速は前型より50%も速い3.4秒となっている。
新開発の4輪駆動システムは、可変前後駆動力配分となっている。
■前輪への出力は:120kW〜−80kW
■前輪への駆動力配分:40%〜50%
■後輪への出力は:120kW~-60kW
■後輪への駆動力配分:50%~60%
の間で可変。前後輪とも「マイナス」の出力を使うことでモーター駆動4WDならでは操縦性・安定性を実現している。現状ではESC(電子制御スタビリティコントロール)もABSも採用していない。
スリーピース構造の車体には、脱着可能なフロント・リヤセクション、固定式のウィンドウ、LEDヘッドライトとテールライト、舗装路で理想的なダウンフォースを発生させるために調整可能なリヤウィングを搭載。袖ヶ浦スピードウェイでのテスト走行では、R35 GT-Rより速いタイムを叩き出しているという。
新型NISSAN LEAF NISMO RCはフォーミュラE選手権の他、世界各国で行われる主要モーターショーやイベントで展示する予定だ。。6台を製作する予定で、2台は日本、2台は北米、2台は欧州に置いて世界各国で活用するという。
新型LEAF NISMO RC
全長×全幅×全高:4546×1942×1212mm
ホイールベース:2750mm
車重:1220kg
重量配分(Fr):43%
モーター個数:2
最高出力:240kW
最大トルク:640Nm
前型 LEAF NISMO RC
全長×全幅×全高:4446×1942×1212mm
ホイールベース:2600mm
車重:920kg
重量配分(Fr):41%
モーター個数:1
最高出力:100kW
最大トルク:280Nm
新型と前型を比べるとボディサイズが全長で100mm拡大。
モーターが2基になって最高出力は100kWから240kWへ、最大トルクは280Nmが640Nmになった。バッテリーの搭載量が増えたこともあって車重は300kg重くなっている。
前型も市販車のリーフのデザインモチーフを上手に使っていたが、新型もそれは同じ。現行リーフのスタイリングとの共通点を感じさせつつもレーシングコンセプトらしいかっこよさをうまく表現している。