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【ハーレーダビッドソン】ハンドルはちょっと遠いけど……、国内初お目見えのSOFTAIL FXDR 114に乗った


例年ハーレーダビッドソンは秋の到来と共に次年度のフルラインアップが披露される。既に恒例のイベントは富士スピードウェイで開催され、プレス関係者はパドックに並べられた最新モデルの試乗と撮影に明け暮れる。しかし今年の発表試乗会は、趣が異なっていた。取材班は新幹線で金沢へ移動。日本海沿岸を1泊2日でツーリング試乗する機会が与えられたのである。注目モデルは国内初お目見えのFXDR 114。そしてツーリングファミリーに装備された進化系インフォテイメントシステムだ。




REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)

SOFTAIL FXDR114……2,862,000円〜

 写真では見ていたが実車を目前にすると久々に大きなインパクトを感じた。強烈なスタイリングとでも言おうか、明らかにデザインセンスは時代を乗り越える先進性がある。少なくともソフテイルファミリーの中で飛び抜けて斬新。ゆっくりと眺めながら周囲を一周し、高さ720mmというシートに腰をおろすと何故かハリウッドのSF映画に登場していた近未来バイクが頭に浮かび、自分がスクリーンの中に飛び込んだような錯覚にとらわれてしまうから不思議だ。




 どちらかと言うと保守路線で各バリエーションを充実してきたハーレーダビッドソンのブランドの中ではかなり異色。むしろストリートロッド系に所属する方が相応しいのではないかとさえ思えた。ソフテイルの中では明らかに異端の最新モデルだ。搭載エンジンは歴代Vツインの第9世代となるミルウォーキーエイト114。念のため補足しておくと114はエンジン排気量を示す数値でキュービックインチのこと。立方センチメートルに換算すると1868ccになる。もちろん伝統の横置き空冷V型2気筒でその挟み角は45度。ボア・ストロークは102×114.3mmというロングストロークタイプ。クランクケース右側のシングルカムから長いプッシュロッドとロッカーアームを介して4バルブを駆動するOHV方式だ。




 付随パーツもド迫力なデザインを徹底。前方に向けた大胆なエアククープをイメージさせるエアクリーナーは先端に剥き出しのエレメントが付く。16.7L容量の燃料タンクも新設計。そして軽量アルミキャストスイングアームの採用にも驚きを隠せない。


 太く長い2本のエキゾーストパイプを1本にまとめた黒いマフラーデザインやシングルシートに割り切ったテールカウル。そして何と言っても黒いディッシュホイールにマッチされた240/40R-18インチサイズの極太リヤタイヤがいかにもFXDRのダイナミズムを象徴している。ゼロ発進加速を競うドラッグレーサーをモチーフにした新型なのである。わかりやすく言うとヤマハVMAXやカワサキのエリミネーターと同じカテゴリーに新規参入した野心作なのだ。



 早速跨がると手足が前方に伸び切る感じ。肘や膝に残るゆとりは極僅かである。身長170cm の筆者の体格には明らかに大き過ぎるライディングポジションだが、何だか特殊なバイクを乗りこなしているような大らかな気分になってくるから不思議なものだ。そしてひとたびスロットルをワイドオープンすると、怒濤の加速力で約300kgもの車体を猛然とダッシュさせる。例の極太のリヤタイヤは「どんなトルクでも全て俺に任せろ」!と言わんばかり。確実に地面を捉え、蹴りだしてくれた。急発進はもちろんタイトコーナーからの脱出加速でもグリップ力に対する信頼性は抜群。少々乱暴なスロットワークをも平然と許容してくれるから安心感がある。


 さらにワイドタイヤにも関わらず、クセの無い素直な操縦性を発揮できる点にも感心させられた。縦目地のある路肩を走っても、荒れた路面の峠道でも不安の無い旋回を決めレスポンス良くグイグイと俊敏に立ち上がれる。巨体をものともせず確実に減速停止させる制動能力も高い。見た目のド迫力が先ずは印象的だが、乗り味は決してくせ者ではない上質な仕上がりに感心させられたのが正直な感想だ。派手好きな人には魅力ある選択肢となるだろう。

ディテール解説

ショートフェンダーをマッチさせたフロントタイヤは、120/70ZR-19インチサイズ。キャスター34度に寝かされたフロントフォークは倒立式。5本スポークタイプのキャストホイールには、レーザー彫りのグラフィックスが入れられている。フローティングダブルローターに組み合わせるブレーキキャリパーは対向4ピストン式。

Vバンクの間に挟まれたイグナイターからは4本のイグニッションコードが出ている。気筒当たりツインプラグ方式を採用。フートレストは前方に位置。ケースサイドカバーは艶有りのブラック仕上げが施されている。

チタンカラーのエキゾーストパイプは太くて長く、キャタライザー入りの1本マフラーに集合させている。まるでシュノーケルの様に前方に向けて立ち上げられたエアクリーナーは先端にエレメントが剥き出しで装着されている。

大胆なまでに短くカットされたテールカウル。存在を目立たせない黒いフェンダーデザインとの対照が印象深い。同ブランドでは稀な存在となる軽量アルミダイキャスト製スイングアームの採用も新鮮だ。

フローティングシングルローターを合わせたリヤのブレーキは2ピストンのピンスライド式キャリパーを採用。黒いディッシュホイールはアルミキャスト。フロント同様にレーザー彫りグラフィックスが施されている。タイヤはスペイン産のミシュラン製でハーレー向けに専用供給されている。

リヤサスペンションユニットは外からは目にすることができないがモノショック式が採用されている。写真のダイヤルは車体右側のサイドカバー前方に位置している。ダイヤルを回す事でリヤショックのスプリングセット荷重が5段階にリモコン調節できる仕組みだ。

全てLED方式が採用されたライト類。マルチライト&レンズを組み合わせて全体を丸形としたヘッドライトデザインがユニーク。倒立フォークの黒いアウターチューブと白いヘッドライトカウルが好対照だ。

ステアリングトップブリッジの上側でフロントフォークのトップエンドにクリップオンしたセパレートハンドル。しんちょう170cm筆者の体格ではステップもハンドルも位置が遠くに感じられた。

オジリナルのパネルがあしらわれた新鮮なメーターデザインはシンプルでスッキリしている。

主要諸元

●エンジン


エンジン Milwaukee-Eight® 114


ボア 102 mm


ストローク 114 mm


排気量 1,868 cc


圧縮比 10.5:1


フューエルシステム インジェクション(Electric Sequential Port Fuel Injection)


エキゾースト 2-1、マフラー内触媒




●ディメンション


全長 2,425 mm


シート高 720 mm


最低地上高 140 mm


レイク(度) 34


トレール 120 mm


ホイールベース 1,735 mm


フロントタイヤ 120/70ZR-19 60W


リアタイヤ 240/40R-18 79V


燃料容量 16.7 l


オイルタンク容量 4.7 l


出荷時重量 289 kg


車両重量 303 kg




●パフォーマンス


エンジントルクテスト方法 EC 134/2014


エンジントルク 160 Nm


エンジントルク(RPM) 3,500


リーンアングル、右(度) 32.6


リーンアングル、左(度) 32.8




●ドライブトレイン


プライマリードライブ チェーン式、ギア比:34/46


ギアレシオ(全体)1ST 9.311


ギアレシオ(全体)2ND 6.454


ギアレシオ(全体)3RD 4.793


ギアレシオ(全体)4TH 3.882


ギアレシオ(全体)5TH 3.307


ギアレシオ(全体)6TH 2.79




●シャシー


フロントタイプ グロス/サテンブラック、5スポーク、レーザー彫りグラフィックス入りエースキャストアルミ


バックタイプ グロス/サテンブラック、ソリッドディスク、レーザー彫りグラフィックス入りエースキャストアルミ


ブレーキ、キャリパータイプ フロント固定4ピストン、リアフローティング2ピストン




●電気


ライト、インジケーターランプ ハイビーム、ターンシグナル、ニュートラルランプ、油圧警告灯、エンジンチェックランプ、ABS、バッテリー警告灯、燃料警告灯


ゲージ 5インチアナログスピードメーター、デジタルギア、オドメーター、フューエルレベル、時計、トリップメーター、航続可能距離、タコメーター表示
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