11月22日、マイナーチェンジを受けた新型シボレー・カマロ(Chevrolet Camaro)が発表された。詳しい車両紹介は別記事に譲るが、発表会の場で驚きの事実が判明した。現行六代目のカマロの日本市場における新車購入の年齢別顧客層を見ると、最大のボリュームゾーンはなんと20代だというのだ。若者のクルマ離れが叫ばれて久しい昨今、果たしてそんなことが本当に起こりうるのか?
新車購入者の28%が20代!
東京都渋谷区で開催されたメディア向け発表会の場で、衝撃の事実が判明した。ゼネラルモーターズ・ジャパンの若松 格社長のスピーチの中で、カマロの顧客層で最も多いのは20代だという説明があったのだ。
若松社長によって示された年齢別購入者層のデータは下記のとおり。
10代 02%
20代 28%
30代 14%
40代 22%
50代 21%
60代 13%
70以上 01%
目も耳も疑ってしまった記者は、スピーチ後の若松社長を直撃した。
記者:20代が最大ボリュームゾーンだなんて、本当にそんなことがあるのですか?
社長:そうなんですよ。我々も驚いているんです。
記者:その要因について、何か御社では分析されているのでしょうか?
社長:まず、商品にわかりやすい魅力があることは確かでしょうね。ここにもうひとつ別のデータがあるのですが、現行カマロを購入するお客さまの74%は、これまでシボレーを含むGMのクルマを所有されたことのない方なのです。つまり昔ながらのコアなアメ車ファンでない方にも支持されているのです。
さらにグレード別の販売比率を見ますと、LTが47%、コンバーティブルが11%、SSが42%となっています。前者2グレードが直4、SSがV8ですから、昔ながらのV8にこだわらず、直4を選ばれている方が58%もいらっしゃるということです。
記者:(逆にこのご時世にV8を選ぶ猛者が42%もいることに感心してしまうが……)それだけ、カマロに対するイメージが変わってきているということですね。
───ここで広報ディレクターの安部麻甲氏が登場する。
安部氏:さらに言えば、ウェブやSNSなどで精力的に情報を発信する戦略が実を結びつつあるのかなぁという気もしています。難しい話ではなくて、例えばコメントをいただいたら速攻で返信する、みたいな(笑)。
記者:確かに若い人同士では、LINEなどでもすぐに返信しないと嫌われるらしいですからね。
安部氏:マーケティングやPRに飛び道具なんてなくて、結局は地道に努力するしかないんですよね。
社長:この発表会が終わると、そのままこの場所で新型カマロを一般公開するのですが、渋谷を選んだのも若者を意識してのことなんです。
今回のお話は、記者のように自動車専門媒体に関わる人間にとってもおおいに勇気づけられるものだった。
確かに近ごろは、10代や20代の若者は意外とクルマやバイクが好きだと感じさせられる場面が少なくない。つい最近もプライベートで出かけた先で「かっこいいバイクですね。見せてもらっていいですか?」と若者に声を掛けられ、「キミもバイクに乗っているの?」と聞くと「自分、まだ15っすから」と返されて驚いたことがあった。
グランツーリスモ(プレイステーションのゲーム)世代とでも言うのだろうか。やはり若者はクルマもバイクも好きなのだ。問題は我々のように情報を発信する側、そして売る側にあったのかもしれない。
なんだか個人のブログみたいなオチになってしまってスミマセン。