メルセデス・ベンツの新型Aクラスが発表され、「走る、曲がる、止まる」に加え「話す」ことに注目が集まっている。そう、MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)の搭載である。開発者インタビューの後編は、ドイツ本国から来日したMBUXユーザーインタラクションコンセプト担当、ダイムラー社・研究開発部門のトビアス・キーファー氏を直撃した!!
「『めっちゃ、暑いねんけど』と言っても反応する」
「将来的には、クルマと家をつなぐことも可能」
──自動車の音声入力については、グーグルやアマゾンなど他の多くのIT企業が手掛けています。そうした企業が持つ音声入力に対して、メルセデス・ベンツが独自に開発したシステムの強みや優れている点を教えてください。
「一番大切なことは『我々はクルマのことが良く分かっている』ということです。走行時に発生する風切り音などのノイズに対し、システムがきちんと動作するように音声のアルゴリズムを調整しています。その結果、とても優れた音声認識が可能となりました。もうひとつは、メルセデス・ベンツのシステムを使うことによってクルマの中の機能をコントロールすることができる点です。これはスマートフォン単体ではできないことです。つまり、MBUXはユーザーに包括的な体験(エクスペリエンス)といったものを提供することができるので、ユーザーはクルマとスマートフォンの間を行き来する必要がなくなりました。さらに、将来的にはクラウドを経由して、グーグルホームやアマゾンエコーとの連携が実現すれば、クルマと家をつなぐことも可能だと思います」
「ビッグデータを収集し、改善や開発に役立てる」