フィアット・クライスラー・オートモービル・N.V. (FCA)は22日、マニエッティ・マレリを日本有数の自動車部品メーカーであるカルソニックカンセイの完全親会社であるCKホールディングスに売却することを発表した。本取引の完了後、CKホールディングスは、マニエッティ・マレリCKホールディングスに商号変更し、カルソニックカンセイとマニエッティ・マレリの事業の統合により、総売上高では世界第7位の独立系自動車部品メーカーが誕生する。
合意されたマニエッティ・マレリの株式価値は62億ユーロ(約8,060億円*1)となる予定。本取引は、規制当局の承認及び一般的な買収条件の充足を前提として、2019年上半期中に完了する予定。
本取引は、合計売上高が152億ユーロ(約1兆9,750億円*1)となる、世界有数の独立した自動車部品メーカーを生む画期的なもの。また、世界的ネットワークを持つ独立したティア1サプライヤーを目指すカルソニックカンセイとマニエッティ・マレリの両社の戦略目標に向けた大きな第一歩でもある。統合後の新会社は、規模、強固な財務基盤、並びに製品ライン及び事業エリアの相互補完により、世界中の顧客に対してサービスを提供する体制を確立する。また、約200カ所以上の工場や研究開発センターを欧州、日本、米州、そしてアジア太平洋地域に有することになる。
(*1:1ユーロ=130円で換算)
FCAとは複数年の部品供給契約を締結することで合意しており、これによりマニエッティ・マレリのイタリアでの事業と製造拠点が維持され、将来にわたる成長と成功をたらすものとなる。
統合後の新会社は、カルソニックカンセイの現CEOであるベダ・ボルゼニウス氏が日本を拠点に経営にあたる予定。マニエッティ・マレリのCEOであるエルマンノ・フェラーリー氏は、マニエッティ・マレリCKホールディングスの取締役に就任する予定(株主の承認を経て決定予定)。
今回の統合に関して、FCAのCEOである、マイク・マンレー氏は以下のように述べている。「マニエッティ・マレリが次のステージへと飛躍する可能性を十分に発揮できるような選択肢を慎重に検討した結果、カルソニックカンセイとの統合が、お客様、そして従業員にとって、マニエッティ・マレリの将来の成長を加速させる観点で、最も理想的な機会だと考えるに至りました。統合後も、同社はFCAにとって最も重要な取引先であり、今後も両社の関係が一層強化されることを期待しています。今回の統合は、マニエッティ・マレリの戦略的な価値が認められたものであり、価値を創造していくという、当社の不断の努力の成果だと思います」
カルソニックカンセイのCEOである、ベダ・ボルゼニウス氏は以下のように述べている。「われわれの業界は、大きな変革の時期を迎えており、今後も一層の激動が続くことと思われます。そのような中、カルソニックカンセイとマニエッティ・マレリが統合し、世界10位に入る競争力のある自動車部品サプライヤー企業を形成することに非常に期待しています。両社にとっては拠点、製品ラインが補完されることとなり、また、両社のお客様にとっても新会社が人材やプロセス、また、革新的な新製品の開発に一層投資することで大変意義のある統合になると思います」
マニエッティ・マレリのCEOである、エルマンノ・フェラーリー氏は以下のように述べている。「マニエッティ・マレリ、カルソニックカンセイの両社は、グローバルで幅広い製品ラインと事業エリア、専門的知見と将来の可能性をもたらす、画期的な日を迎えることができました。全ての従業員が、安定性と成長性を持つ、情熱と希望そして自信にあふれた独立した大企業の一員となる素晴らしい機会となりました」