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アメリカに向かうスバル車の船積みを見学


スバルは9月14日、北米市場に向けて輸出される車両を専用貨物船に積み込む船積み見学会を実施。スペースを無駄なく使うための的確な車両誘導や、固定作業を間近で見ることができた。

 今年1月〜7月までの7ヵ月間のスバル車の生産台数合計は57万台あまり。そのうちの38万台を国内で生産している。一方で輸出合計台数は30万台弱。つまりスバルにとって、日本で生産した車両を海外へ運ぶのは非常に重要なプロジェクトだ。




 その海外への船積みを実際に行なう作業をスバルは今回、報道陣向けに公開。北米での販売が開始されたばかりの新型フォレスターを中心とする多くの車両が、船内に運び込まれるのを見られるのはめったにないチャンスだ。







手前に駐車しているフォレスターと見比べれば、どれだけ大きな船か実感できるだろう。

 横須賀を経て9月14日に川崎港に入港した貨物船は、商船三井が運行する「バイオレット エース」。2011年3月に竣工した自動車専用船で、長さは189.3m、幅32.26m。総トン数4万9708tで、積載台数は乗用車であれば合計11のデッキに5031台を積み込めるという。





船尾のランプウェイがゆっくりと降りてくる。
この上を通って車両が船内へ自走で入っていく。


 接岸の後、船尾と右側に設けられたランプウェイを使って車両が自走で船内に入り、立体駐車場のような構造の内部を移動して決められたデッキに移動していくのだ。荷役作業を行なうチームは「ギャング」と呼ばれ、監督者、ドライバー、固縛員、シグナルマン等の20名ほどで構成。積み込む台数によって投入されるギャングの数を変更し対応する。





各車にドライバーが乗り込み、船内へと移動。
デッキの見た目は立体駐車場にそっくりだ。


船尾の他に船体中心部の右側にもランプウェイがある。
この小型ランプウェイからも車両が船内へと入っていく。


狭いクリアランスでも一発で位置を決める的確なチームの動き。

 車両の誘導作業は、ホイッスルとハンドサイン、手に持ったランプで行なわれ、ドライバーはドアミラーを畳んだ状態でも滑らかにクルマを操っていく。切り返し作業などは行なわず、スムーズに駐車位置にピタリと付けるのはまさにさすがの腕前だ。駐車した後にドライバーは、次の車両の駐車を妨げないように速やかにクルマから降りていく。船内の限られたスペースでできるだけ多くの車両を積み込むために、車両と車両の感覚は前後30cm、左右10cmほどという、わずかなクリアランスしかない。





ギリギリのラインまで誘導。
次々に入っていくるクルマでデッキが埋まっていく。


駐車した後にクルマを固定する作業が行なわれる。

 ドライバーが降車後に、ラッシングベルトと呼ばれる拘束用ベルトで航海中にクルマが動かないように固定して終了。車両全体を梱包することなく傷や凹みなどを発生させないようにするのには、高度な荷役作業が要求されるのだ。

固定終了後の各車のクリアランスはこのくらい。
前後もさることながら、左右のクルマとはこの近さ。


 本航海では輸送するのはスバル車のみで、14日の夕方に川崎港を出港し、13日間を掛けて北米へ移動。予定では9月27日にバンクーバー港、30日にリッチモンド港に入る予定。気象状況などを考慮して船長が最適なルートを選び、基本的には24時間ずっと移動するという。





 航行に携わる乗組員は船長以下、合計21名で、内訳はブルガリア人2名、ウクライナ人7名、フィリピン人12名。航海士は4時間交代で見張りや操船を実施し、機関士は日中はエンジンのほか船上生活で欠かせないさまざまな機械を整備/修理、エンジンには監視システムが用意されているので、緊急時以外の夜間は無人で運転されるという。





手前にあるのはメインエンジンのピストン。
こちらは機関のコントロールルーム。


ブリッジは前方の最上部にある。

 およそ二週間、寄港なしで航海が続けられるため食料の備蓄や医務室、トレーニングルームなども備わり、バイオレット エースでは広さや設備などに違いはあるものの、船員全員に個室が用意されている。





船内に用意されたトレーニングルーム。
デッキのすぐ下にある船長室はこの広さ。


大きなキッチンスペースで航海中の食事を用意。
食料貯蔵庫。この他に冷凍/冷蔵スペースもある。


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