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【BLAZE】次に流行るのはコレ! 超カジュアルな折りたたみ電動スクーターに乗ってみた!


キャンピングカーの販売などを手掛けるブレイズから新たな電動スクーターが登場した。その名も「BLAZE」。一度見たら忘れられない奇抜なデザインや折り畳み式というコンセプトなど、従来のバイクにはない斬新さが光る。使い勝手や乗り味は……。実際に街中を走らせて、その実力を確かめてみた。




REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)


PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

BLAZE SMART EV……128,000円 (税別)

※登録諸費用、配送料等の費用(38,000円+消費税)が別途掛かります。

折りたたみ電動スクーター「BLAZE」気になるポイント五問五答!

Q:免許は必要?


A:原付免許または普通自動車免許で運転できます。




Q:値段は?


A:乗り出し価格で179,280円です。




Q:後続距離は?


A:1回の充電で約30km走ります




Q:重さは?


A:約18kgです。




Q:最高速は?


A:約30km/h。実測値では下り坂で34km /hを表示しました。

 実におもしろい! 見た目の第一印象はバッタみたい(失礼)。長い足?を持った華奢な骨格がそう思わせるのだ。だがそれは悪い意味ではない。インパクトの大きさは、すれ違う人々の大きが振り返るほどだ。「BRAZE」はリチウムイオンバッテリーを電源としてモーターで動く、いわゆる電動スクーターではあるが、従来のものとはあまりに異なる外見であるため、一瞬どう捉えたらいいのか当惑してしまう。

大人が乗れるしっかりした作り

 編集担当者に促されてクルマのトランクから「BRAZE」を取り出してみた。重量18kgと聞くと成人男性が持つには余裕そうか思えるが、専用の持ち手が無いのでなかなか重い。両腕でしっかりと抱えてようやく運べる感じだ。


 展開するにはシート部分を持ち上げつつ、シートフレームの付け根、円形のジョイント部分にあるレバーを引くとロックが外れて前後輪を支えているアームが開く仕組みだ。ベビーカーかカメラの三脚を開くような感じかも。「カチッ」っとロックされると意外にもしっかりしていて、ジョイント部分のガタはほとんどなく、アルミ素材のボディは体重73㎏の自分が乗ってもビクともしない堅牢さ。シートはアームの後端部にあるので、テコの原理でいくとジョイント部には相当なストレスがかかっていると思われるが、そこも織り込み済みなのだろう。ライダーの体重は120kgまで対応となっているので心強い。


 ちなみにハンドル部分も根元にヒンジが付いていて折り畳むことができる。何度かトライするうちに扱いに慣れてくるので、30秒ぐらいで折り畳んだり展開したりもできるようになるから、トランクへの積み下ろしもコツを掴んでくるとだいぶ楽になった。

加速はゆっくり、小回りは抜群

 始動はスマートキーで操作。「Welcome to ……」と音声で応答し、なんともハイテク。あとは右手のグリップをひねるだけだ。ライポジはややハンドルが遠く、腰を引いて小さなシートにちょこんと座る感じ。イス付きの電動キックボードのような感じだ。アクセルを開けると微かなモーター音とともに静々と走り出す。ジョギング程度の速度から徐々に加速していき、20秒ほど掛けてトップスピードの30km/hまで達する。これなら原付スクーターに乗ったことがない人でも安心してすぐ馴染めるはずだ。加速力は乗り手の体重にもよるようだが、軽い登りでもすぐに速度が鈍るのはご愛敬(笑)。

 一般的な50ccスクーターより非力で発進がマイルドなので、原付1種扱いではあるが幹線道路をクルマと一緒に走るには気が引けるかも。逆にクルマが入り込めないような狭い路地や都会の雑踏の中では大いに活躍しそうだ。タイヤも専用サイズでだいたい8インチ程度と極端に小径なため、小回りは効くが無理は禁物。車体を深々とバンクさせて曲がるような代物ではない。ただ、前後のディスクブレーキはけっこうしっかり止まるし、フロントに1cm程度はストロークするサスペンション?も付いていて、速度を十分落とせば歩道の低い段差ぐらいなら乗り越えられた。まあ、性能を試すような走りはしないほうが無難だろう。

玩具のようだが実用的

 充電については、後輪アームに埋め込まれたリチウムイオンバッテリーを引き抜いて、家庭用コンセントにつなげば3.5時間でフル充電可能。航続距離は約30kmということで、毎日の通勤に使うにはやや物足りないが、ディパックを背負って近くの駅まで行くには丁度いいかも。折り畳まなくても駐車スペースも自転車以下で済むので置き場所にも困らないはずだ。また、車に積んでいってキャンプ場でのちょっとした移動に使ったり、サーキットであればパドック内での足として活用すると便利だろう。玩具のようで、なかなか実用的。EVならではの実にユニークな乗り物だ。





ディテール解説

アルミ削り出し風のホイールはなかなかの高級感。後輪ハブに埋め込まれたインホイールモーターなので見た目もスマートだ。

ジョイント部のレバーを引くとロックが外れ、折り畳んだ車体を展開できる。実に簡単。

普通のスクーターと同じで右手のアクセル操作で速度をコントロールする。

左右のグリップ部分の根元にはレバー式のヒンジが付いていてハンドルも折り畳める。

ミラーは本格的というか、普通のスクーターと同じ感じ。

USB電源ポートからスマホなどのモバイル機器の充電が可能。その下はスピーカーで、ブルートゥース接続で音楽を聴くこともできる。

シートは自転車のサドルのような形状。後ろにはブレーキランプと左右のウインカーを備える。

後輪にはディスクブレーキ。ミニベロに付いているようなサイドスタンド付きだ。

前輪にもディスクブレーキ。フロントフォークは旧型モンキーのようなグリス式のような動作だった。

LEDヘッドライトにビルトイン式ウインカーなど、なかなか先進的な雰囲気だ。

シンプルで見やすい液晶メーター。スピードとトリップ計、バッテリー残量計、外気温計などを表示する。

バッテリーはシートを持ち上げるとロックが外れて簡単に取り外すことができる。

取り外したバッテリーは家庭内電源で充電可能。追加バッテリーは39,800円で購入できる。

ネックの部分にも電源ポートがあり、専用充電器で家庭用コンセントから直接チャージもできる。

このように両腕で抱えるようにして持つとバランスがいい。慣れれば女性でも可能だろう。

カローラフィールダーの荷室にムリなく納まった。普通のセダンのトランクにも積載可能なサイズだ。

足つきチェック(身長180cm)

足着きは非常に良いが、ハンドルはやや遠め。体格によっては腰が引けた感じになるかも。



月刊モトチャンプ・アテ姐の「あたいも乗ったよ!」

 アタイはキャンプ大好き独身女子。だから電動スクーターが折りたたみ式と知って、これはキャンプに持っていきたいと思ったよ。 ただ、実際に畳んで持ってみると結構重い。クルマのトランクへの積み下ろしは女性だと少し大変かもね。


 乗った感想は、いい意味でフツー。華奢な車体だから運転にもっと気を使うと思ってたけど、フツーに乗れちゃう。駐車場のスロープは勾配がきつくて徐々に減速していったので、足漕ぎしながらなんとか登り切ったよ。足つきは身長157cmのアタイでも流用かかとべったり、安心だよ!


ケニー佐川

本名、佐川健太郎。モーターサイクルジャーナリスト、MFJ公認インストラクター、ライディングアカデミー東京校長など多岐に渡って活躍。守備範囲は原付バイクから大排気量車まで広い。


アテ姐

月刊モトチャンプの紅一点。愛車のスーパーカブで西へ東へ。最近は様々なバイクイベントに出没中。

■主要諸元■




・展開サイズ:全長約1200mm / 全幅約650mm / 高さ約950mm


・折り畳みサイズ:全長約600mm / ハンドル部約350mm / 高さ約1200mm


・乗車定員:1名(120kg)


・最大積載量:120kg


・車両重量:約18kg


・電池のタイプ:リチウムイオンバッテリー


・充電時間:約3.5時間 ※1


・定格出力:0.35kw


・走行距離:満充電で約30km ※2


・タイヤサイズ:前後:315mm


・ブレーキ:前後ディスク式




※1 充電時間については、バッテリーの残容量により変わります。


※2 当社調べのため、走行時の気象、道路、整備などの諸条件によっては走行できる距離が変わります。


※3 乗員55kgの場合。負荷が増えることでバッテリーの負担は増加するため、最大速度は変化します。
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