アルプス電気は、2出力ブレーキペダルポジションセンサ「RD1030211」を開発、量産を開始した。
LMC Automotive社の調査によると、世界乗用車販売における電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド(PHV)、燃料電池車などの構成比は2030年までに50%近くになると予測されており、今後も、開発が急速に進む中国などを中心に、普及が進んでいくと予想される。
これら次世代自動車には、減速時の車輪の回転力を走行用の電気エネルギーへ変換する回生ブレーキシステムが採用されている。この回生制動を効率良く発生させるためには、ブレーキペダルの踏み込み量情報が重要となるが、従来の1出力タイプではブレーキランプ点灯用との同時出力ができず、セットメーカー側の設計において不便があった。
こうした背景を踏まえ、アルプス電気は2出力タイプのブレーキポジションセンサ「RD1030211」を中国市場向けに開発。ブレーキランプ点灯と回生ブレーキシステムの両方へ電圧出力が可能となり、次世代自動車のコンパクトな設計に貢献している。
また、従来品の1出力タイプでも好評だったアナログ検出方式を本製品でも踏襲。取り付け時の位置ズレを電子的にキャリブレーション処理するため、スイッチ検出タイプで発生していた物理的な位置調整が不要となり、客先の生産工程の省力化を実現している。
なお、本製品は、従来品において2003年から累計7000万台を市場に送り出している実績がある。この度、2出力タイプを拡充することで、アルプス電気は次世代自動車の普及に寄与していく。