ポルシェ製4ドアスポーツカーという新境地を開拓したパナメーラは、鮮烈なデビューから10年近くが経過し、現行モデルは2代目(971型)へ移行した。新型には多種多様なグレードが揃い、街中で見る機会が増えたものの、初代970型の鮮度だって今だに衰えてはいない。中古車市場を見渡せば、魅力的な個体が現実的に手の届く存在になりつつある。
971型が普及する今だからこそ……
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用途や価格帯で選べる、豊富なラインアップ!
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モータージャーナリスト 中三川大地のイチオシ!
個人的には2012年に投入されたGTSが魅力的に映る。これからの時代、V8こそ存続しても、4.8ℓもの大排気量を自然吸気のV8で味わえる新車など絶滅危惧種になるはずだ。それを今なら、新車とほぼ変わらぬ安心感で愉しむことができる。車種を問わず新車のフレッシュさは時間とともに衰えるが、「ポルシェ製V8自然吸気エンジン」という存在価値は未来永劫続く。
もともとポルシェは自社の信頼耐久性に絶対的な自信を持つ。それを実感するユーザーも多いはずだ。たとえば認定中古車をみると、認定中古車になりえる基準が初年度登録から9年、走行距離20万kmと実に幅広い。そうした制度を前にしたら、多少の時間や距離など些細なものと思えてくる。新型のフレッシュさ、なによりその性能に魅かれる気持ちはありつつも、そこから一歩距離を置いて身の丈にあった高性能な4ドアグランツーリスモ(スポーツカー)を欲するのなら、970型パナメーラ、なかなか魅力的な選択肢である。