メルセデス・ベンツGクラスは新型の発表後も従来型が併売されているが、本国ではすでに生産を終了。ジープ・ラングラーも昨年末のロサンゼルス・オートショーで新型が発表されており、年内の日本上陸が確実視されている。このドイツとアメリカが世界に誇る本格オフローダー、果たして従来型が「買い」なのかどうかを検証する。まずは両車の新旧同士でパッケージングを比較する。
Gクラスのボディサイズを新旧比較すると、新型は従来型に対しスペアタイヤ込みの全長が53mm延長され4817mm、全幅が64mm拡幅され1931mmとなったものの、全高は変わらず1969mm。ホイールベースは40mm伸びて2890mmとなった。
なお、悪路走破性の指標となるスペックについては、
・登坂能力…適切な路面で最大100%
・前後アクスル間最低地上高…24.1cm(従来比+6mm)
・最大渡河水深…水中・泥中走行時70cm(従来比+10cm以上)
・安定傾斜角度…35°(従来比+7°)
・アプローチアングル…31°(従来比+1°)
・ランプブレークオーバーアングル…26°(従来比+1°)
・デパーチャーアングル…30°(従来比+1°)
となり、全方位的に強化されている。
対するジープ・ラングラーの4ドアモデル「アンリミテッド」は、北米仕様のスペックを見ると、従来型が全長(スペアタイヤ込み)×全幅×全高=4696.5×1872.9×1844.0mm、ホイールベースは2947.2mm。
新型は全長(スペアタイヤ込み)×全幅×全高=4785.0×1875.0×1868.4mm、ホイールベースは3008.0mmと、従来型よりそれぞれ88.5×2.1×24.4mm、60.8mm大きいボディサイズになった。
なお、悪路走破性の指標となるスペックについては、255/70R18タイヤ装着車同士で比較すると、
・最低地上高…254mm(従来比+8mm)
・アプローチアングル…41.8°(従来比+0.1°)
・ランプブレークオーバーアングル…21.0°(従来比+0.3°)
・デパーチャーアングル…36.1°(従来比+4°)
と、デパーチャーアングルを除けばその差は少ない。
両車とも、全長およびホイールベースを拡大しつつ悪路走破性を向上させるため、最低地上高を従来型より高めており、新型ジープ・ラングラー・アンリミテッドでは254mmに達している。
従来型でさえサイドステップを使ってなお「よっこらしょ」と掛け声をかけたくなるほど、身長176cmの筆者でも乗り降りは容易ではないが、新型ではそれがさらに困難なものとなっている可能性が高い。小柄な女性や子供、高齢者が乗る機会が多いならば、購入前に実車を確認することを強くオススメする。
なお、室内および荷室についても、新旧のスペックが公表されている。Gクラスの場合は下記の通り、特に後席の居住性が改善された。
前席レッグルーム…+38mm
前席ショルダールーム…+38mm
前席エルボールーム…+68mm
後席レッグルーム…+150mm
後席ショルダールーム…+27mm
ただし後席格納時の荷室容量は、新型では後席のダブルフォールディングが不可能になったため、従来型の2250ℓに対し1941ℓへ縮小されている。3人以上での移動が多いのであれば間違いなく新型の方がオススメだが、ほぼ1~2人しか乗らずアウトドアスポーツやレジャーのため荷物を満載する機会が多いならば、むしろ従来型を今のうちに手に入れておきたい。