アルファロメオ初の本格SUV、「ステルヴィオ」がついに日本に上陸した。
ヨーロッパ屈指の峠道に由来を持つネーミングを与えただけあって、
開発陣はその運動性能には絶大な自信を持っているという。
それではと、早速ニッポンのステルヴィオ峠に繰り出したのである。
TEXT&PHOTO●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
アルファロメオがSUVを作るからには……
アルファロメオ初のSUV「ステルヴィオ」がついに日本上陸を果たし、長野県は軽井沢でメディア向け試乗会が開催された。もはやSUVはスペシャルな存在ではなく、ひとつのカテゴリーとしてメインストリームにすらなりつつある。それはコンパクトからハイエンドに至るまでクラスを問わずに起きている現象で、そんなSUVを求める市場の強い声に対するアルファロメオの回答とはいかなるものなのか、クルマ好きならほとんどの人が注目しているに違いない。なにしろ戦前から続く珠玉のスポーツカーブランドなのである。
まず実車を目の当たりにして思うことは、想像していた以上にSUV感が希薄だということ。スポーツカーとは言わないが、5ドアのスポーツサルーン、もしくは巨大なホットハッチといった風情で、アウトドアやオフロードの気配は微塵も感じられない。アルファロメオがわざわざSUVを作る意味を彼ら自身がよく理解していることの表れだ。
プラットフォームはスポーツサルーンのジュリアと同じ「ジョルジオ・アーキテクチャー」で、サスペンションも基本的にジュリアと同じである。もちろんセッティングは変更されている。着座位置は190mm、最低地上高は65mm高くなっているが、ロール軸の角度はジュリアとまったく同じである。
フロントオーバーハングはクラス最短の859mmで、これが身をかがめた動物のようなスタイルの演出に効いていると思われる。ホイールベースはクラス最長の2820mmだ。Cd値は0.30と、これもSUVとしてはトップクラスに入る。
軽快感に溢れ、すべての動きにタメがない
いよいよニッポンのステルヴィオ峠へ!
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アルファロメオ・ステルヴィオ ファースト・エディション
全長×全幅×全高:4690×1905×1680mm ホイールベース:2820mm 車両重量:1810kg エンジン形式:直列4気筒DOHCターボチャージャー 総排気量:1995cc 最高出力:206kW(280ps)/5250rpm 最大トルク:400Nm/2250rpm トランスミッション:8速AT フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン リヤサスペンション:マルチリンク タイヤサイズ:255/45R20 車両価格:689万円