ミニに乗っているんですか、どのミニですか。「クーパーです」「クラブマンにしたんです」「ジョンクパーワークスの脚まわりをちょっといじって……」etc.──ミニじゃなくなったミニなんて揶揄されはするものの、依然として輸入車売上げトップ5に入り続ける人気ブランドMINI。しかしクルマの種類や車型を示すカタカナが多すぎて何が何やらさっぱりわからんという方も少なくないはず。そこで、登場から順を追って、わかりやすく整理してみた。(PHOTO:BMW)
「醤油に塩に味噌に豚骨」と並べたら、ラーメン好きの人からたしなめられた。ひとつだけ違う概念が混じっていると。そうなの? じゃあどう違っているの?──と訊いたら、「醤油に塩に味噌はタレ、豚骨は出汁だから魚介とか鶏ガラと並ぶもの」と言う。ううむ、なるほど。確かに醤油豚骨って言うな。
それを聞いてふと思い出した。ミニのラインアップの話である。ひと頃に比べればずいぶんわかりやすくなったとも感じるが、依然として理解できていない。このラーメンの話と同じように分類できないだろうか。
現在売られているもの/かつて売られていたものをひっくるめてリストアップしてみると……
■ 3ドア
■ コンバーチブル
■ クラブマン
■ カントリーマン
■ クーペ
■ ロードスター
■ ペースマン
■ 5ドア
……という順序で登場している。参考に、タイムラインを示す表を載せておこう。
表にも記載してあるが、どうやらミニの車型は高/低に大きく分かれ、さらにそこからオープンやワゴンやクーペといったバリエーションがぶら下がっているようだ。
高低のうちの高というのがSUVタイプで、ミニにおいてはカントリーマンとペースマンがそのボディを用いている。低は通常ラインにあたり、こちらはさまざまな展開が図られている。
■ 3ドア =低の基本形
■ コンバーチブル =低+オープンボディ
■ クラブマン =低+ワゴンボディ
■ カントリーマン =高の基本形
■ クーペ =低+2シーター+クーペボディ
■ ロードスター =低+2シーター+オープンボディ
■ ペースマン =高+クーペボディ
■ 5ドア =低のロングホイールベース
どうやらこのような成り立ちのようだ。ラーメンで言えば出汁の部分にあたるだろうか。単語だけではどんなクルマだったか全然思い出せないので画像を貼ってみる。
ならばタレはどうなっているのか
ラーメンで言うところのタレに当たるのがパワートレインの話である。
■ ワン
■ クーパー
■ クーパーS
■ ジョンクーパーワークス
これらが基本形。それぞれに(未設定のものもあるが)ガソリンエンジンとディーゼルエンジンが設定されていて、それを反映するとこうなる。
■ ワン/ワンD
■ クーパー/クーパーD
■ クーパーS/クーパーSD
■ ジョンクーパーワークス
四輪駆動仕様としてALL4という名称もあるが、一部車型にとどまるのでここでは触れないでおこう。
まとめると、ミニは出汁としての車型名称とタレとしてのグレード名称に大きく分かれていて、それを組み合わせることでようやくどのクルマなのかがわかる構造になっている。「どのミニに乗っているの?」と訊かれたときに「ミニの5ドアのクーパーSD」「ペースマンのワンD」「カントリーマンでクーパーSでオール4」とスラスラ返してきたらその人は相当である。ううむ……「赤いミニ!」とか「ミニの屋根が開くやつ」とか答えてくれたほうがいいかも(笑)。