ピスタとはイタリア語でサーキットという意味。だからと言って488ピスタはサーキット専用マシンというわけではない。むしろその魅力はストリートにあるのではないか、と思えるほどの柔軟性と扱いやすさを兼ね備えているのだ。
フィオラーノ・サーキットを出て、次はマラネッロ近郊のストリートへと488ピスタのノーズを向けた。まず驚いたのは乗り心地の良さだ。モータースポーツのテクノロジーを注入したクルマとなると一般道では不快なこともあるのでは、と考えてしまうかもしれないが、488ピスタは素晴らしい柔軟性を持っているようだ。
イタリアの道は荒れた部分も多いし、あちこちに速度を落とさせるためのカマボコ状の起伏があったりする。このような場所を通過するときでも、ガツン、というようなショックはほとんどない。フィオラーノでも乗り心地の良さは感じていたが、それは路面がキレイなサーキットだからだろう、と思っていたのだ。しかもこの時ストリートで試乗した車両はアルミホイールを履いていた(フィオラーノ試乗車はカーボンホイールを装着)から、これがより軽量なカーボンホイールだったら、乗り心地はさらに良くなるだろう。
フェラーリ488ピスタ
■ ボディサイズ:全長4605×全幅1975×全高1206mm ホイールベース:2650mm ■車両重量:1385kg ■エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ 総排気量:3902cc 最高出力:530kW(720ps)/8000rpm 最大トルク:770Nm(78.5kgm)/3000rpm ■トランスミッション:7速DCT ■駆動方式:RWD ■サスペンション形式:Fダブルウイッシュボーン Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク(カーボンコンポジット) ■タイヤサイズ(リム幅):F245/35ZR20(9J) R305/30ZR20(11J) ■パフォーマンス 最高速度:340km/h 0-100km/h加速:2.85秒 0-200km/h加速:7.6秒■環境性能(EU複合モード):燃料消費率11.5L/100km CO2排出量263g/km ■価格:3940万円