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え、今どき5速なの? 新型ジムニー/ジムニーシエラのトランスミッションが5速MTのままな理由


7月5日に発表されたスズキ・ジムニー/ジムニーシエラのメカニズムを解説。まずはトランスミッションだ。多段化がトレンドの現代だが、新型ジムニー/ジムニーシエラは、依然として4速ATと5速MTをラインアップする。なぜだろう? 今度はMTを見てみよう。

 新型ジムニー/ジムニーシエラのマニュアルトランスミッションは、先代と同じく5速MTだ。MTをラインアップしているだけで、国産車としてはレアケースだという言い方もできるが、なにせ、モデルがジムニーである。MTは必須と言えるのだ。


 では、先代と新型のギヤ比を見てみよう。

■先代(JB23型)ジムニー


5速MT


1速:5.106


2速:3.017


3速:1.908


4速:1.264


5速:1.000


後退:5.151




トランスファー


高速変速比:1.320


低速変速比:2.643


最終減速比:4.300

■先代ジムニーシエラ


5MT


1速:4.425


2速:2.304


3速:1.674


4速:1.190


5速:1.000


後退:5.151




トランスファー


高速変速比:1.320


低速変速比:2.643


最終減速比:3.416

 では、新型はどうだろう?

■新型ジムニー


5速MT


1速:5.809


2速:3.433


3速:2.171


4速:1.354


5速:1.000


後退:5.861




トランスファー


高速変速比:1.320


低速変速比:2.643


最終減速比:3.818

■新型ジムニーシエラ


5速MT


1速:4.425


2速:2.304


3速:1.674


4速:1.190


5速:1.000


後退:5.151




トランスファー


高速変速比:1.000


低速変速比:2.002


最終減速比:4.090

新型では、シフトレバーユニットの取り付け方法をトランスミッション2点+フレーム1点としてシフトレバー振動を低減した。

 ジムニーは、新型でギヤ比が変わっているが、ジムニーシエラは同じギヤ比だ。


 マニュアル・トランスミッションは、オートマチック・トランスミッションと違って、自動車メーカーが自製するケースが多い。ギヤ比の変更も比較的容易だ。新型ジムニー/ジムニーシエラの開発にあたって、スズキが新規にMTを設計・製造するのは、さして不思議ではない。




 ジムニーのマニュアル・トランスミッションで特徴的なのは、オーバードライブがない、といことだ。ギヤ比を見てみよう。最高速段の5速のギヤ比は、1.000。つまり直結だ。たとえば、同じスズキのアルトワークスの5MT(エンジン横置きのFF)の5速MTのギヤ比は、1速:3.545、2速:2.105、3速:1.521、4速:1.148、5速:0.897となっていて、5速はオーバードライブである。つまり、新型ジムニー/ジムニーシエラも高速走行は、あまり重要視していない、ということなのだろう。




 とはいえ、トランスファー(副変速機)が新スペックとなっている新型ジムニーシエラの場合、5速走行時のギヤを見てみると、


1.000×1.000×4.090でトータル4.090となる。


先代ジムニーシエラでは


1.000×1.320×3.416でトータル4.509となる。これがエンジンが1.3ℓから1.5ℓになった恩恵と言えるだろう。タイヤサイズも考えなければならないが、高速走行時のエンジン回転数は新型では少し下がるだろう。




 ちなみに、新型ジムニーのトランスファーは、先代と同じ、アイシン・エーアイ製のTJ2を使っている。

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