Revatronは、2018年6月13日(水)に、高価なLiDARを安価なAI 2.0技術に置き換える車載ソリューションを発表した。
Revatronは2018年6月13日(水)に、カメラのみで自動車が物体の距離や動きを学習できる世界初のスマートカメラを発表した。 当カメラ・ソリューションは、車両の動きを補うことによって、動いている物体を静止物体と区別することもできる。このカメラは、処理時間1ミリ秒以下のリアルタイムAIエンジンを搭載。リアルタイムが特徴の処理と超低遅延学習は、運転支援アプリに最適化されている。
本ソリューションは、機械学習と3Dモデリングに焦点を当てたリアルタイムAIソリューションであるRevatronのDOORs(Direct Object-Oriented Reality system:ダイレクトオブジェクト指向リアリティシステム)技術に基づいている。カメラは、3D測定のためにひとつから3つのカメラ入力をサポートすることができる。DOORsカメラのパッシブレーダーとしての設計は、複数の同期カメラ入力の三角測量から3Dデプス情報を学習。単一のカメラ入力のみを使用する場合、カメラは三角測量の基礎として独自の移動経路を使用する。
Revatron社は過去数年間、日本の大手自動車メーカーとのDOORsカメラのコンセプト・デザインを検証してきた。同社はこれらの屋外試験の結果を使用して、DOORsカメラに無数の修正、調整、改良を組み込んだ。プロトタイプ設計のリアルタイムAI機能は、ソシオネクストのA11プロセッサとFPGAアクセラレータで実行される。Revatronは2018年にNABとISC Westのトレードショーでデモンストレーションを行い、現在は自動車、バス、トラック、重機機器を対象としたDOORsカメラの生産に向けて自動車サプライヤーと積極的に取り組んでいる。
自動車産業は、低消費電力、高解像度、安価なLiDARのオルタナティブ・ソリューションを求めてきた。基本的に、LiDARはオブジェクトの影が盲点になるという課題を抱えた回転型レーダーシステム。大きく、重く、高価であり、軽量小型化のうえで大量生産に至るまでのハードルが高いというデメリットがある。LiDARを使用する典型的な自動運転システムは、約1.5秒で車の周りに限られた3Dモデルを構築するためには、車載として耐えきれない電力消費量を必要とする可能性がある。
そのソリューションとしてのDOORsカメラは、ドライブレコーダーと同等の小さなサイズで、周辺エリアの音声警告や情報を提供するためのアクセサリとして車両のどこにでも搭載できる完全受動機器だ。DOORsカメラは、光または信号を発しないカメラ入力のみから周囲の3D構造を学習。DOORsカメラは、GPSと速度データの両方が利用可能な場合、周囲のオブジェクトの正確な動きを提供することができる。
Revatronは、自動車市場での可能性を最大限に活用するために、DOORsのカメラデザインを低コストでコンパクトなデバイスに共同して変更するパートナーを積極的に求めている。Revatronは、大量の自動車サプライヤーや大量生産のためのメーカーにDOORsカメラのデザインをライセンス供与することには前向きの姿勢を示している。
DOORsカメラは周囲の物体の3D構造を直ちに学習、運転可能な道路と不可能な道路は2Dカメラより容易に区別可能となり、誤認率も下がる。トップに掲載した画像は、DOORsカメラがリアルタイムでキャプチャした輪郭(左)とデプスマップ(右)を示している。
6月13日(水)から15日(金)にかけてパシフィコ横浜で開催される画像センシング展にRevatronは出展し、DOORsの展示を行う。また、6月15日(金)13時半より、同社代表浅田氏による講演も予定している。