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侮れません! 枯れても元気なダミーオービスの怪!【交通取締情報】


現時点で全国に設置されている固定式オービスは約520カ所。警察庁によると、その50%以上が老朽化し、撤去か存続かの検討対象になっているという。確かにここ数年、新設を遙かに上回る勢いで、各地で撤去の嵐が吹き荒れているが、実は、撤去費用は都道府県負担。特に財政難と言われている都道府県にとって、おいそれと撤去できない事情もある。その結果、メンテナンスも限界を迎え、いわゆるダミー化したオービスが徐々に増えていくことになる。が、ただの粗大ゴミと化しているかと思いきや、実は意外な効果を生んでいるのだ。そこで、「ダミー」もしくは「ダミーと思われる」オービスを検証してみた。

☆中央自動車道

下り11.8KP/ループコイル式
上り11.8KP/ループコイル式


上り、下り共に、府中バス停入り口の茂みの中から追い越し車線を狙っている……ように見えるが、よく見るとストロボ窓のカバーはヒビだらけ、さらに春から夏にかけては茂みの中に隠れ、どう見てもちゃんと機能しているとは思えない。まったくメンテナンスされている形跡がないのだ。が、警告版が残っている以上、完全にダミーとは言えないので、我々ドライバーは減速するしかない。機械は機能していないかも知れないが、「スピード抑止」効果はきっちり発揮されているというわけだ。

☆国道312号線兵庫県姫路市砥堀

北行き/ループコイル式
南行き/ループコイル式


ここのオービスも設置されてすでに30年以上が経つという古株。元祖オービスⅢの横型だ。北行きは筐体の中身が空っぽであり、その状態ではまごうことなきダミーだが、南行きに不審な点はない上に警告板が残っている以上、完全ダミーと決めつけるのは早計かも。

☆秋田県潟上市天王町天王県道56号線

両方向/Hシステム

元々、上下線にHシステムが設置されていたポイントだが、昨年、何を思ったか秋田県警がカメラとストロボを撤去し、さらに白いレーダー部分も空っぽ状態にしてしまった。完全に田んぼのカカシ化してしまったというわけだ。これはたぶん、秋田県警がスピード抑止をもくろんでカタチだけ残したというのが正解だろう。その証拠に「自動速度取締機設置路線」という警告板が「速度抑止強化路線」という看板に掛け替えられている。スピード取り締まりの本来の目的である「危険な事故と速度を未然に取り締まる」を廃物利用で達成したというわけだ。(写真は南行き。北行きも同じ状態だ)

☆長野県木曽郡木曽町日義国道19号線

北行き/Hシステム

 ここも、元々、両車線にHシステムが設置されていたポイント。今年に入って、なぜか北行きだけにLHが新設され、Hにはアンテナ部分に「運用停止中」というシートがかけられている。




 が、「運用停止中」が一時的なものなのか、それとも復活することがあるのかがわからないところが不気味。まっ、手前に新品のLHが設置されたのだから、たぶん、撤去を待っているということなのだろうが、とりあえず、このシートがかけられている間はダミー同然なので安心していい。




 ただし、油断して手前のLHにひっかかったら、もとも子もありませんよ。

元祖オービスⅢは、ダミーオービスの元祖でもあった!?

 ダミーオービスは、実は、なにも今に始まったことではない。オービスの元祖と言われるオービスⅢは元々、裏側にダミーな装飾が施されていたのだ。




 オービスⅢは、言うまでもなく上下両車線を狙える、いわゆる両方向対応オービス。もちろん、同時に狙えるわけではなく、両車線にループコイルを埋め、さらに向きを変えれば「どちらでも取り締まれますよ」、ということなのだが、裏側にストロボとカメラのダミー窓を描くことによって、あたかも両車線を同時に取り締まっているかのごとく見せかけられているのだ。




 これは縦型でも横型でも同じ。もし、近くにオービスⅢが設置されていたら、よく見てみるといい。最近、デジタル化された新型のオービスⅢが増殖中だが、こっちも裏側はダミーだ。

秋田のおちゃめなダミーオービスの話題はこちら!オービスより怖い新型移動オービス情報はこちら!
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