北京モーターショーでヴェールを脱いだ新型レクサスES。先代までは日本国内には導入されていなかったが、新型は日本でも発売される予定だ。新しいプラットフォームであるGA-Kを採用するのは、トヨタ・カムリと同じ。ここではカムリと比較してみよう。
新型レクサスESとトヨタ・カムリを並べてみると……
新型レクサスESがワールドプレミア!【北京モーターショー2018】トヨタは、次々とTNGA思想をベースとしたプラットフォームを使ったニューモデルを発表している。
エンジン縦置きのFRベースの場合は、GA-Lプラットフォームを使う。レクサスLSやレクサスLCは、このGA-Lプラットフォームだ。
対して、エンジンをフロントに横置きするFFベースの場合は、GA-Kプラットフォームを使う。新型レクサスESは、このGA-Kプラットフォームを採用している。
新型レクサスESの流麗なスタイリングが、あまりにもLSに似ていたので、LSとの比較記事を書いた。
しかし、本来はLSとの比較よりも、同じプラットフォームを使うカムリを比べてみる方が素直な反応だ。ここでは、わかる範囲でレクサスESとトヨタ・カムリを比較してみよう。
レクサスES
トヨタ・カムリ
レクサスESのボディサイズは、
全長×全幅×全高:4975×1865×1445mm ホイールベース:2870mm
対するトヨタ・カムリのボディサイズは、
全長×全幅×全高:4885×1840×1445mm ホイールベース:2825mm
である。
ボディサイズは、明らかにESの方が大きい。全長で90mmもESが長いのだ。
ホイールベースも、ESの方が45mm長い。
ボディのサイドビューも見ても、やはりESの方が伸びやかな印象だ。
レクサスES
トヨタ・カムリ
新型ESのパワートレーンは、
3.5ℓV6(3.5ℓV6 2GR-FKS型V6 DOHCエンジン)
2.5ℓ直4+ハイブリッド(A25A-FXS+THSⅡ)
2.5ℓ直4ガソリン(A25A-FXS型2.5ℓ直列4気筒DOHCエンジン)
2.0ℓ直4ガソリンの4種類
を設定するという。
そのうち、2.0ℓ直4ガソリンエンジンは、最新のDynamic Force 2.0エンジンだ。
対するカムリは、日本国内仕様は、2.5ℓ直4+ハイブリッド(A25A-FXS+THSⅡ)のみだが、海外には、3.5ℓV6、2.5ℓ直4モデルが存在する。
上記の図版はともに、2.5ℓ直4+ハイブリッド(A25A-FXS+THSⅡ)搭載モデルのものだ。
シャシーはどうなっている?
サスペンション形式は、ともにフロントがストラット、リヤがダブルウィッシュボーン式。セッティングはもちろん違うだろうが、基本的な構成はほぼ同じだと言っていいのではないか。
では、ボディも見ていこう。
カムリもボディ、シャシーに積極的に高張力鋼板を使っている。トヨタブランドとして初めて1180Mpa級の冷間成形鋼板を使ったのもカムリのトピックだ。使用率は、1180MPa級が約8%、ホットスタンプ鋼板が約7%、780MPa級以上の高張力鋼板がボディシェルの約20%を占めている。
一方のレクサスESは、鋼板の種類についての情報がまだないが、当然、カムリ以上の素材を奢っているのは予想できる。上の図でも、フロントのバンパーレインフォースにアルミ合金の押出材を使っているのがわかる。ボンネットフード、フロントフェンダーもアルミ合金製だ。レクサスLSではアルミ化されたドアは、インナー/アウターともスチールを使う。
ステアリング機構は、レクサス、カムリともにラック&ピニオン式で電動アシストのパワーステアリングとなる。よりステアリングフィールを向上させるために、コラムアシスト式ではなく、アシストモーターからタイヤまでの距離が近いラックアシスト式を採用している。ラックアシスト式もいろいろな方式があるが、カムリもESものラック平行式(ラック・パラレル式EPS=RP-EPS)を採用している。
これだとわかりにくいので、拡大してみよう。
北京モーターショーのJTEKT(ジェイテクト)のブースに、ラック平行式パワーステアリングが展示してあった。ESのパワーステアリングのサプライヤーは不明だが、ラックパラレル式の例として写真を掲載する。
同じGA-Kプラットフォームを使っても、トヨタ・ブランド、レクサス・ブランドで、担う役割も市場ニーズも違う。レクサスESの発売が近づけば、より詳細な情報も明らかになってくるはずだ。