室内から減衰力を自在にコントロールできるアイテムとして、業界に先駆けてテインがEDFCを開発したのが2002年。その後、約15年の間に、EDFCアクティブ、EDFCアクティブPROと進化を遂げ、シリーズ累計10万セットを超えるロングセラー、ベストヒットアイテムとなっている。ここでは、そのハイエンドモデルであるEDFCアクティブPROに焦点をあて、その高い機能に迫ってみよう。
テイン独自の高機能コントロールシステム!!
EDFC ACTIVE PRO
EDFC ACTIVE PROOの特徴
■車速だけでなく、加減速G、旋回Gに対し4輪独立の減衰力自動コントロールが行われる
■細かなステップで走行ステージに合わせた独自のセットアップが可能
■GPS(オプションセンサー)を使い正確な制御が可能
■モーターユニットの無線制御により取り付けの配線作業もラクラク
■オプションスイッチの追加で街乗り、サーキット用などのモード分けも可能
■耐久性も高く1年間の製品保証付き
車速と加減速&旋回Gに応じて 4輪の減衰力を最適値に自動コントロール!!

単なる車高調の付属品ではなく
独自の高性能チューニングパーツ
テインのサスキットの性能を引き出すパーツの代名詞的な存在となっているEDFC。今回焦点を当てているのは、その発展系で最上位システムとなるEDFC ACTIVE PRO。
その機能は、車速と加減速や旋回Gに応じて4輪の減衰力をそれぞれ自動でリニアに制御するというもの。たとえば、減速とステアリング操作が伴う際には、外側のフロントのタイヤの減衰力を大きく高め、安定した姿勢で、4輪の接地状態を確保するのだ。
その設計上、テインのサスペンションキットにしか対応しないため、サスキットの付属システムと捕らえられる場合も多いが、EDFCアクティブPRO自体が高度なチューニングパーツとして存在するのだ。
ちなみに、全日本ラリーやD1GPへの参戦車両を始め、多くのモータースポーツシーンに愛用者がいることもその性能の証といえるだろう。
制御スピードは1ノッチ0.09秒
リニアで違和感のない制御フィール
EDFCアクティブPROに使われる制御ユニットやモーターの性能は高く、その制御スピードは16段調整の車高調ユニットで1ノッチ約0.09秒。高速、リニアに行われる制御はドライバーに違和感を感じさせない。
それでいて、スポーツ走行時のハンドリング性能の向上率は高く、まるで「運転がうまくなった」と錯覚してしまうほどだ。車両の姿勢を崩さずにコーナーに入ることなどで、ハンドリングにオン・ザ・レール感をもたらしてくれるのだ。
また、外部入力スイッチを増設すれば、セッティングを複数セットすることができる。街乗り、ミニサーキット、大型サーキット、ウエットなどのシチュエーションに合わせて使い分けることも可能だ。出荷状態でも、ノーマルモード、ダイナミックモードの2種類のモードがプリセットされている。
子供のクルマ酔いがなくなったと
ファミリー層からも意外な反応
EDFCアクティブPROの効果は、スポーツドライビングに特化したものではない。
減衰力の4輪独立制御が車両の姿勢変化を減らすことに意外な効果があることがユーザーの声から分かっている。
というのも、EDFCアクティブPROを装着したユーザーから「子供のクルマ酔いがなくなった」「長距離ドライブが楽になった」という声が多く寄せられているのだ。
これは、明らかに車両のロールやピッチングなどの動きが規制されたことによる効果。開発時に意図したものではないが、ファミリー層からテインの車高調が支持されるひとつの理由となっているという。
無線機構によるコントロールで
配線&装着も手軽に行える
EDFCシリーズの開発には耐久性やユーザービリティも考慮されている。開発では、ロングランテストを行い各部パーツには高耐久素材が組み込まれている。
また、室内のコントローラーから各ダンパーのコントロールの無線制御化により、装着時に一番手間のかかる室内とダンパーを結びつける配線作業を排除。また、室内に装備するGセンサーはどの位置、角度で装着しても作動する3軸式になっていて、取り付け位置も選ばない。
価格も6万7500円(別途オプションパーツあり)と高性能ながら良心的。ユーザーサイドに立った開発はテインが最も大切にするコンセプトでもあるのだ。
IMPRESSION
by OPTION カジ編
ロール感やノーズダイブの減少が
安心のハンドリング性能に繋がる!!
試乗は雨の峠道…これでは、サスペンションのインプレにならないな、と思ったら、同行したテインのスタッフは「この環境でもその良さはしっかり体験できます」と自信満々。
半信半疑で車両に乗り込み走り出すと、確かに違う。EDFCアクティブPROのオフ時(減衰力固定時)のコーナリングでは、ロール感がアクセルの踏み込みを躊躇させるが、オン時(自動制御時)にはあきらかに外側のタイヤが踏ん張ってくれて安心してアクセルを踏み込むことができる。
特にブレーキから旋回に入る際のふんばり感は如実で、ノーズダイブによるリヤの不安定感まで打ち消してくれる。走り込んで、車速から割り出しステージに合わせたセットアップをつめていけば、低速コーナーと高速コーナーの両立できる足回りの実現もできそうだ!!