ドイツ・アウディAGは2月28日、ミドルラージセダン「A6セダン」をフルモデルチェンジ。8代目へと世代交代させた。
フロントマスクは、低くワイドなシングルフレームグリル、フラットなヘッドライト、パワフルな造形のエアインレットで、スポーティな雰囲気を演出。サイドビューでは、3本の印象的なラインが車高を実際よりも低く見せ、さらにホイール上のパワフルな膨らみによって、このクルマがアウディ・クワトロの遺伝子を受け継ぐクルマであることを示している。
3種類用意されるヘッドライトのうち最上位バージョンである「HDマトリクスLEDヘッドライト」では、5本の水平ラインがデイタイムランニングライトのシグネチャーを形成し、フロントエンドの幅広さを強調。その上部には、瞳のように見えるロービームモジュールが組み込まれている。
オプションのテールライトのライティングシグネチャ-は、1本の水平ラインと9つに分割された垂直セグメントから構成され、各セグメント間にはブレーキライトが設置されている。最上位バージョンにはダイナミックインジケーターが装備され、ドアを開錠または施錠すると、カミングホームおよびリービングホーム機能によってライトが脈動するように点滅する。
インパネはA7スポーツバックと共通のデザインが与えられており、水平ラインと細いインストルメントパネルにより広々感を演出。ドライバーに向けて少し角度が付けられたセンターコンソールに、2つの大きな高解像度タッチディスプレイによる「MMIタッチレスポンス操作システム」を装着している。
この中に「MMIナビゲーション」を標準装備するほか、LTEアドバンスドに対応する最上位のデータ転送モジュールを備えたテレマティクスナビ「MMIナビゲーションプラス」をオプション設定。過去に走行したルートに基づく自己学習機能、サービスプロバイダーのHERE(ヒア)が運用するサーバーを経由してオンラインで提供されるルートガイダンス、道路標識やハザード情報といったcar-to-Xサービスを提供する「アウディコネクトオンラインサービス」の利用を可能とした。
前後シートのヘッドおよびニークリアランスは先代A6よりも拡大され、後席のレッグルームは主要な競合車をも凌ぐ広さを確保。トランクリッドには足のキック動作による電動開閉機構を備えている。また、最も低いモデルで0.24に達する空気抵抗係数と、室内の音響特性の改善により、高速走行時の静粛性を向上させた。
新型A6セダンには欧州市場への投入時、340hp・500Nmを発する3.0ℓ V6のTFSI(直噴ガソリンターボ)エンジンと、286hp・620Nmを発する3.0ℓ V6 TDI(直噴ディーゼルターボ)エンジンを設定。また、後日追加されるもの含めた全エンジンに、48Vマイルドハイブリッド(MHEV)テクノロジーが組み合わされる。
このシステムは、ベルト駆動式のオルタネータースターター(BAS)とリチウムイオンバッテリーで構成されており、55~160km/h走行時はコースティング(惰性走行)が可能。スタート/ストップ機能は22km/h以下で作動し、減速時はBASが最大12kWのエネルギーを回生することで、100km走行あたり最大0.7ℓの燃料消費を削減する。
そしてシャシーには、ステアリングの切り角が大きくなるにつれてステアリングレシオがダイレクトに変化する「プログレッシブステアリング」と、新型A8およびA7スポーツバックに続き、4輪操舵システム「ダイナミックオールホイールステアリング」を設定した。
そして、車両から降りた状態でスマートフォンのmyAudiアプリを操作し、駐車スペースやガレージへ自律的に車両を入出庫させることができる「アウディAIリモートパーキングパイロット」および「アウディAIリモートガレージパイロット」を、新型A8およびA7スポーツバックに続き設定。
両システムは「パークアシストパッケージ」に含まれるが、このほか「交差点アシスト」を含む「シティアシストパッケージ」、走行車線を維持するためにステアリングに穏やかに介入することによってアダプティブクルーズコントロールを補助する「アダプティブクルーズアシスト」、経済的な運転スタイルを促進する「エフィシエンシーアシスト」を含む「ツアーシステムパッケージ」も用意される。
新型A6セダンはドイツ・ネッカーズルムのアウディ工場で生産され、本国ドイツでは2018年6月から販売開始予定。「A6セダン50TDI」のベース価格は58,050ユーロ(1ユーロ130円換算で7,546,500円)と発表されている。