ボルボの新しいコンパクトSUV、XC40に直列3気筒ガソリン・エンジン搭載モデルが登場した。ボルボにとって、このDrive-Eの1.5ℓ3気筒エンジンは、91年の歴史のなかで初めての3気筒エンジンとなる。
ボルボが開発した新しいDrive-E 3気筒エンジンの排気量は、1.5ℓ。現在の主力エンジンであるDrive-E 4気筒ガソリンエンジンの1気筒落としと考えればいいだろう。ボルボのDrive-Eエンジンは、モジュラーエンジンとして開発されているので、当初から3気筒エンジンも開発ロードマップにあったのだろう。
ただし、Drive Eエンジンがデビューした当時にボルボの開発エンジニアに直接訊いた際は、「3気筒は振動の問題があるから、ボルボはやらない」と答えていたのだが……。言い換えれば、課題を克服したからこそのデビューだと推測できる。
新しい直列3気筒エンジンの詳細なスペックは未公表だが、モジュラーエンジンであることを考えれば
ボア×ストローク:82.0×93.2mm
排気量:1476cc
というところだろう。
もちろん、ターボチャージャーによって過給される。
ボルボは、現行V40などが搭載するDrive-EエンジンのT2とT3という1.5ℓガソリンエンジンが存在する。これは3気筒ではなく4気筒である。
新しい1.5ℓ直3エンジンがデビューしたことで、この1.5ℓ直4エンジンの「T2/T3」はフェードアウトしていくのだろう。
T2のパワースペックが122ps(90kW)/220Nm
T3のパワースペックが152ps(112kW)/250Nm
だから、新しい1.5ℓ直3エンジンも同程度のスペックになるのではないか。
1.5ℓ直列3気筒直噴ターボに組み合わせるトランスミッションは、6速ATだ。これまでの経緯から、アイシン・エィ・ダブリュ製の6速ATだろう。来年には8速ATも選べるようになるという。
モジュラーエンジンとして開発されているので、3気筒エンジンも4気筒のガソリン/ディーゼルエンジンと同じラインで生産される。
「新しい3気筒エンジンは、XC40、そしてボルボにとってエキサイティングな開発でした。このコンパクトな3気筒エンジンは、XC40のパワートレーンにさらなるフレキシビリティを与えてくれます」とボルボのクラスター40のシニアディテクターのアレクサンダー・ペトロフスキーは述べている。
現在のXC40のパワートレーンは、150hpのD3(2.0ℓ直4ディーゼル)と190hpのT4(2.0ℓ直4ガソリン)の2種類が設定されているが、これに1.5ℓ直3ターボが加わることになる。
1.5ℓ直3搭載モデルが日本へ導入されるか不明だが、今後登場するであろう次期V40のエントリーモデルとしても魅力的な選択肢となるのではないだろうか。
新しい3気筒エンジンは、Twin Engine プラグインハイブリッドシステムの組み込みを意図して開発されている。XC40のハイブリッドモデルは、後で追加される予定だ。Twin Engineプラグインハイブリッドは、フロントをエンジンで駆動し、リヤアクスルに電動モーター(ERAD=Electric Rear Axle Drive)を追加してPHEV化する。