成田国際空港社は、世界の空港管理者などを会員とする世界機構である国際空港評議会(ACI)による、空港から排出されるCO2の管理や削減の状況を評価する制度である空港カーボン認証(Airport Carbon Accreditation)のプログラムに参加し、成田国際空港が2018年1月10日付でレベル2を取得したことを発表した。
温室効果ガス排出削減のための新たな国際枠組みである「パリ協定」が発効され、世界的に地球温暖化への取り組みが進む中、成田国際空港社は地球的視野に立った環境にやさしい循環型空港「エコ・エアポート」 を実現していくための計画として、エコ・エアポート基本計画を策定し、航空会社をはじめとする空港関連事業者とともに、空港から排出されるCO2の削減に取り組んでいる。
これらの取り組みを更に推進するため、同社は空港カーボン認証プログラムに参加し、同社とNAAグループ会社の排出するCO2が計画的に削減されていることを証明する段階である、レベル2の認証を受けた。
空港カーボン認証(Airport Carbon Accreditation)とは、ACIが、空港から排出されるCO2の管理や削減の状況を4段階で評価する認証プログラム。
▶レベル1:空港管理者が排出したCO2の算定
▶レベル2:空港管理者が排出したCO2を管理し、削減の達成
▶レベル3:航空会社などの空港関連事業者が排出したCO2を算定し、空港全体での削減計画の策定
▶レベル3+:空港管理者が排出したCO2をオフセットし、カーボン・ニュートラルの達成
という格付けを行なっている。なお、独立した第三者による検証が必須。
ACI(Airports Council International)とは世界の空港の事業者団体で、会員の空港同士、並びに国際民間航空機関(ICAO)、国際航空運送協会(IATA)や民間航空交通管制業務提供機構(CANSO)を含む他の世界の航空パートナーとの関係を促進することを目的に1991年に設立された。関連する政策立案の重要な各段階において、空港にとっての最大の利益(関心)が反映されるよう代表して意見を申し述べ、安全、確実、効率的、環境的にも維持可能な世界の航空輸送体制の確立に貢献している。
世界全体でACIの会員数は、641組織、176ヶ国、1,953空港(2018年1月時点)。5つの地域(アジア太平洋、北米、欧州、ラテンアメリカ・カリブ、アフリカ)に分かれての活動も行っており、日本が属するのはアジア太平洋地域。
そのACIアジア太平洋地域(事務局:香港)の会員は、アジア太平洋地域から中東地域にわたり、104組織、47ヶ国、573空港(2018年1月時点)からなる。同地域の空港による航空取扱量は、旅客数が約31億人、貨物取扱量が約5,220万トン。
先述の空港カーボン認証は、5つに分かれるACI地域のうち、ACI欧州地域により2009年に運用が開始され、2011年に日本が属するACIアジア太平洋地域に導入、2014年後半にはACI全世界地域に導入されている。