オールシーズンタイヤは、夏期のドライ・ウェット路面から冬期の雪道まで走行できる四季を通じた全天候型タイヤのこと。高速道路等のチェーン規制の下でも走行可能である。1年半前からマイカー、BMW320iにオールシーズンタイヤのグッドイヤー・ベクター4シーズンズ・ハイブリッドを履いているMotor Fan illustrated編集長が、東京の大雪ドライブをレポートする。
会社を出たのは18時半。すでに、幹線道路にも雪が積もっている。都内明治通り新宿付近も、すっかり雪国のようだ。ノーマルタイヤでは、まったく歯が立たないだろう。実際、立ち往生しているクルマも見かけた。FR車ではなおさらだ。ノーマルタイヤのクルマが路肩に放置されているのも見える。チェーンを履いたミニバンがおそるおそるソロリソロリと走っているのを尻目に、BMW320i+Vector 4 Seasons Hybridは、快適に安心して走れた。
「おおっ、普通に走れるじゃん!」と感心。もちろん、スタッドレスタイヤと同等というわけではない。イメージ的にはスタッドレスタイヤの7-8割くらいの走行性能、グリップ性能という感じだろうか。
320iのドライブモードはECO PROモードにし、アクセル操作もステアリング操作もいつもより丁寧に。それでも時折ESCの介入を示すウォーニングが出る。でも、不安はなし。
翌朝。自宅前の路地裏には17cmほど雪が積もっていた。雪かきをしてそろりと走り出す。これも問題ない。朝、すでに環七、中原街道などの幹線道路はすでに雪はない。それでも外苑西通り、さらに細い路地に入ると雪が。幹線道路はチェーンなしでいけるが、細い道路を考えると怖い。幹線道路をチェーン装着のまま走ると路面もチェーンも痛む。
その点、Vector 4 Seasons Hybridズは快適だ。
問題は、おそらく明日の朝。東京地方の最適気温の予報は-2度(すみません、北国の方。東京ではこのくらいでも充分に寒いんです!)。残った雪が凍結してツルツルになった路面でVector 4 Seasons Hybridがどういう性能を発揮するか、だ。グッドイヤーのホームページにもシャーベット路:スタッドレスタイヤ◎ Vector 4 Seasons Hybrid○ 圧雪:スタッドレスタイヤ◎ Vector 4 Seasons Hybrid○ 凍結:スタッドレスタイヤ◎ Vector 4 Seasons Hybrid△となっている。明日の朝、凍結していたら、さらに注意深い運転を心がけたい。
昨日・今日のドライブを考えると、オールシーズズタイヤ、ベクター4シーズンズは、非常にありがたい性能の持ち主だった。
じつは、Vector 4 Seasons Hybridを履いて1年半以上経つのだが、「ああ、履いててよかった! サマータイヤではきっと走れなかっただろうけど、オールシーズンタイヤだから走れた」というシチュエーションは、今回が初めてだった。
とはいえ、1年に一度か二度、多くても三度の、こういう機会に威力を発揮するのがオールシーズンタイヤ。雪上ドライブの機会がもっとある人、アイスバーンを含めた凍結路を走る機会がある人は、スタッドレスへの換装をお勧めする。Vector 4 Seasons Hybridは、私のような、ほぼ都会しか走らない、スノードライブの機会は今回のような場合に限られて年に数回というユーザーのためのタイヤだ。
というわけで、「履いててよかった、Vector 4 Seasons Hybrid!」と感謝した次第である。