モータースポーツ車両を通じてカスタマイズの可能性を提案
モータースポーツ車両と並び、過激なチューニングカーを展示することでも知られるホンダ。過去10年ほどを振り返ってみても、K20Aを搭載したフィットダイナマイト(2004年)、それを進化させて1.5ℓ直4スーパーチャージドエンジンを載せたフィットスペックD(2006年)、同じくスーパーチャージャー仕様のF154SC無限フィット(2008年)、FD2シビックタイプRから派生した無限RRをベースに排気量を2.2ℓに拡大し、排気系パーツのチタン化やボディパネルのカーボン化などによって軽さを突き詰めた無限RRエクスペリメンタルスペック(2008年)、C30A型エンジンをリヤミッドに縦置き搭載し、ノーマルに対して140mmもワイドなボディが与えられた無限NSX RR(2009年)と、話題の出展車両が数多くあった。そんなホンダが東京オートサロン2018で展示する車両を見ていきたい。
CR-VとジェイドRS、次期モデルのカスタム仕様が早くも登場!
2018年にフルモデルチェンジが予定されているCR-Vと、マイナーチェンジを迎えるジェイドRS。新型モデル登場前のタイミングで、早くもカスタムコンセプトがお披露目される。CR-VはModulo製の前後バンパーや19インチアルミホイールが与えられ、上級SUVに相応しいアーバンかつスポーティなカスタマイズを提案。ルーフからリヤウイングまでをブラックアウトすることで精悍な印象を醸し出す。一方のジェイドRSは前後にブラッククロームガーニッシュを配し、車高15mmダウンを実現するローダウンサスペンションを装備。いずれもModulo製パーツで、ジェイドが持つプレミアム&スポーティなイメージをさらに昇華させている。
ホンダのスポーツDNAを受け継ぐNSXとシビックタイプR
かつてはエンジンサプライヤーとしてF1GPに参戦し、市販車のラインアップを見てもスポーツカーメーカーというイメージが強かったホンダ。そのイメージをもう一度思い起こさせてくれるのが、NSXとシビックタイプRの2台。NSXはリヤミッドに搭載される3.5ℓV6ツインターボエンジンに、3基のモーターを組み合わせたハイブリッドスーパースポーツ。独創のメカニズム「スポーツハイブリッドSH-AWD」によって圧倒的な加速性能はもちろん、2つのモーターを駆使したトルクベクタリングを採用することで、オン・ザ・レール感覚のシュアなハンドリングも実現している。
対するシビックタイプRは、サーキットにおける走行性能に加え、ストリートでのグランドツアラー性能も向上。ベストバランスの「SPORT」、ダイナミック性能を追求した「+R」、快適性にも配慮した「COMFORT」と3つのドライビングモードを持ち、走りに特化したこれまでのタイプRとは異なる、新たな世界観を表現している。
上質な乗り味を求めたModulo Xシリーズに車種追加
Modulo Xシリーズの第4弾、最新モデルとして追加されたフリード。同シリーズとしては初めてハイブリッドが設定される。前後のエアロパーツはリフトバランスを最適化する専用アイテムで、空力性能に合わせて足回りもセッティング。高速域での直進安定性を始め、しなやかなコーナリング性能や路面状態を選ばない上質な乗り心地などを実現したコンプリートモデルとなる。また、S660、マイチェン後のステップWGNスパーダをベースとしたModulo Xのコンセプトモデルも出展。いずれも新作エアロパーツを纏い、S660には減衰力5段調整式のサスペンションユニットも装着されるなど、意のままにクルマを操る喜びという価値をプラスする。
マイナーチェンジで新たに設定されたRS
先日、マイナーチェンジを受けたN-ONE。これまでのスタンダード、セレクト、プレミアムに加え、新たな世界観を表現するRSがラインアップに加わった。これはフィットRSなどにならった、ターボエンジン搭載のスポーティグレードとなる。ローダウンによって全高を低く抑えると同時に低重心化。ブラックアウトされたルーフやホイールが引き締まったエクステリアを演出し、インテリアも赤をアクセントとして取り入れたスポーティな仕上がりを見せる。
レース専用車両も詳細にチェック!
NSXをベースにFIA-GT3規定に合致し、全てのGTレースに参戦可能な専用マシンがNSX GT3。本田技術研究所とイタリアのシャシーコンストラクターであるJ.A.S Motorsportが共同開発し、北米でのIMSA Weathertech Sports Car選手権とPirelli World Challengeシリーズに4台のNSX-GT3が参戦。すでに2勝を挙げるなど、ポテンシャルの高さを見せつけている。
また、2018年シーズンのツーリングカー選手権(TCR)に参戦予定のシビックTCRも展示。新型シビックタイプRをベースに開発されたレーシングマシンで、最新のFIAリフティングデバイスを搭載した新型マルチリンク式リヤサスペンションやアンチロールバーシステム、先進のエンジンマネジメントシステム、改良型ロールケージなどが採用される。さらに、佐藤琢磨選手がインディ500で優勝を遂げたAndretti AutosportのダラーラDW12や、スーパーGT GT500クラスを戦ったKEIHIN NSX-GT、FIMロードレース世界選手権のMotoGPクラスでM.マルケスが2連連続シリーズチャンピオンを獲得したRC213Vも出展される予定。
ホンダワークスのMUGENからは6台が出展
スーパーGT GT500クラスに参戦したMOTUL MUGEN NSX-GTと、2台のスーパーフォーミュラマシン、TEAM MUGEN SF14を展示。SF14のゼッケン♯15はP.ガスリー選手がドライブし、第4戦もてぎ~第5戦オートポリスと2連勝を達成。最終戦までシリーズチャンピオン争いを演じ、惜しくも0.5ポイント差でランキング2位となった。また、マン島TTレースのZero Challengeクラスを戦ったバイク版EV、神電 四もブースに並ぶ。さらに、新型シビックをベースにしたコンセプトモデルに注目したい。1台はシビックタイプRの走行性能を極限まで高めるため、動力/走行/冷却/空力の各性能向上を図り、デザインも磨き上げたMUGEN RC20GT CIVIC TYPE R Concept。もう1台が、ノーマルのスタイリングとの一体感を損なうことなく、力強さをプラスするエアロパーツを装着したMUGEN CIVIC HATCHBACK Prototype。その仕上がりはぜひともホンダブースで確認したい。
2018年1月5日:TASUG(東京オートサロン非公式ガイド)