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千葉大学:室温でも超安定!「世界最薄」有機分子膜を実現


千葉大学大学院工学研究院の山田豊和・准教授、稲見栄一・特任講師を中心とした千葉大学・京都大学の共同研究グループは、『鉄磁石を利用してこれまでの1000分の1以下の薄さとなる世界最薄の有機分子膜作成を実現』した。

昨今、有機ELディスプレイなど、非常に薄い膜を使用した家電製品が実現してきている。これにより、壁掛けテレビや曲がるテレビが開発されている。また、スマートフォンのディスプレイにも有機分子膜が使われている。




では、なぜ、薄い膜がよいのだろうか。 分子膜を薄くできれば、膜作成に必要な分子の量を節約できる。つまり「省資源」化につながる。さらに、薄くすることでより小さな電力で分子膜を機能させることができ、「省エネ」が実現する。




現在の分子膜の厚さは約0.001mm。これでも十分薄いが、では人類はどこまで薄い分子膜を作れるのだろうか。千葉大学/京都大学の共同研究グループは、走査トンネル顕微鏡(STM)という超高感度の顕微鏡観察から、既存の手法で分子膜を薄くしていくと、室温では1個1個の分子が動いてしまい、安定な膜にならないことを発見した。




ところが、鉄磁石の力をかりるとこの分子の動きがピタッととまり、非常に安定な分子膜となることを発見。しかも、その分子膜の厚さを0.0000003mmという、現在使われている分子膜の1000分の1以下にまで薄くすることに成功した。




本研究成果は、平成30年1月10日(水)発行の英科学誌「Scientific Reports」(サイエンティフィック・リポート)にオンラインで掲載。


Scientific Reports, 8巻, 2018年, 30157.

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