ポルシェセンター青山 世田谷、ポルシェセンター名古屋につづき、ポルシェセンター横浜 青葉も加わるなど、日本においてもネットワークの拡充を見せている「ポルシェクラシックパートナー」。では、本国のポルシェクラシックではどのような作業を行っているのか? 今回特別にその本拠地を訪れ、作業工程を見学することができた。
REPORT◎藤原よしお(Yoshio Fujiwara) PHOTO◎ポルシェジャパン
前回レポートした1964年型ポルシェ911(901)No.57など、ポルシェ・ミュージアムの所蔵車に関するレストアやメンテナンスは基本的に、ミュージアム1階にあるワークスペース(ガラス張りなので外からも見学できる)で行われているのだが、一般の顧客から請け負ったレストア、メンテナンスについては守秘義務の都合もあり、ポルシェ本社からクルマで30分ほど走った先にあるポルシェクラシック専用の施設で行われている。
地下1階、地上2階建ての建物は広大なもので、地下が作業待ちのクルマたちやスペアパーツなどの保管場所。2階が鈑金、塗装スペース、そして3階がエンジンなどメカニカルパートのO/H部門と、8基のリフトをもつアッセンブリー&メンテナンス・スペースとなっていた。
「2014年には7箇所だったクラシックパートナーは、2017年現在世界60箇所に広がっています。ポルシェクラシックではレストア、メンテナンスの他にクラシックパーツの開発、再生産、販売も行っており、約5万2000種類のパーツをストック。さらに年間約300種類のパーツの生産も行っています」
と語るのは、マーケティング部門の責任者であるフィリップ・サイモン。基本的にクラシックの対象となるのは生産から20年が過ぎたモデルで、今や996、986ボクスター、さらにカレラGTもその対象となっているという。
現在ポルシェクラシックで行われているフルレストアは、市販のロードモデルのみが対象で、1年に10台のペースで仕上げるのが限界。今も世界中から多数のオーダーが入っており、地下のストレージには多数のレストア待ちのクルマが保管されていた。
ポルシェクラシックでは、こうしたレストアやパーツ製作の業務のほかに、各種イベントにも積極的に参加、2017年には928の生誕40周年をニュルブルクリンクのオールドタイマーGPなどで盛大に祝ったほか、英国グッドウッド・リバイバルには2010年から毎年出展を続けている。
ちなみに、今年2018年には964の30周年が控えているとのことで、内外で様々な活動が見られそうな気配である。
《予告》【年末特別企画】ポルシェ クラシックの世界③ポルシェ ミュージアム(12月31日 18:00 頃 公開予定)
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