125ccまで運転できる原付2種カテゴリーに属しながら、あえて110ccというちょい控えめな排気量とすることで、軽量&低コストを実現したアドレス110。ライバルのDio110と人気を二分するこのモデルの持ち味は、じつは高回転&高速域のノビにあるのだ。
スズキ・アドレス110
20万5200円
■■実力分析結果■■
・加速力……………………………8Point
・最高速……………………………7Point
・実用性……………………………8Point
・コストパフォーマンス……8Point
高速域での安定感や、高いユーティリティに注目!
東南アジアをはじめ、世界的に定番となっている大径ホイールのスクーター。
2015年に発売されたアドレス110はDio110を意識しているため、内外ともにハイクオリティ。パワーユニットにはレッツシリーズで実績のあるSEPエンジンを搭載し、ホンダのeSPに真っ向勝負をしかけている。
このエンジンは高回転型のカムシャフトを採用し、気持ちの良い加速フィールを演出。特に60㎞/h手前からより力強くなってくる。悪路をものともしない14インチの大径ホイールに加えてストロークの長いフロントサスはしなやかな動きの中にも安心感があり、高速域や直進での安定性に大きく寄与。この後伸び型の特性と足周りのバランスが整っているのがこの車両の特徴と言える。
また、日常使いへのこだわりとして、ステップフロアの足元付近を内側に絞り込んで足着き性に配慮。さらに、シート下収納は20・6ℓを確保し、Dio110よりも2ℓほど余裕があるのだ。昨年の仕様変更でデザインが変わったシートは滑りにくくクッション性も良好。ロングサイズなのでポジションの自由度も高く、タンデムもしやすいだろう。
アドレスとDioは細かく見れば似て非なるものだが目指すところは同じ。最終的にはスズキとホンダのどちらが好みかという主観で選んでも後悔することはない。(佐川健太郎)
佐川健太郎>>>
バイクジャーナリスト、「ライディングアカデミー東京」校長、日本交通心理学会員などいくつもの顔を持つ。愛称はケニー佐川。
後藤 武‘S IMPRESSION
回して走りたい人はコッチ
「Dio110のガチンコライバル。性能はほぼ同じだけれど若干こちらの方が高速重視なエンジンのフィーリングとなっている。質感はそれなりだけど、その分車両価格が抑えられていて、走行性と初期コストを重視する人におすすめ。収納が広いのも地味に嬉しいところ」
後藤 武>>>
元二輪専門誌編集長。 顔に似合わず繊細な感覚の持ち主で、各車の違いを読み取る。
Specifications
■全長×全幅×全高 1845×665×1095㎜ ■シート高 755㎜ ■車両重量 97㎏(装) ■総排気量 112㏄ ■エンジン種類 空冷4ストSOHC2バルブ ■最高出力 9.1ps(6.7kW)/8000rpm ■最大トルク 0.88㎏m(8.6N・m)/6000rpm ■燃費 51.2㎞/ℓ ■燃料タンク容量 5.2ℓ ■ブレーキ (前)ディスク(後)ドラム ■タイヤサイズ (前)80/90-14(後)90/90-14
※(乾)は乾燥重量、(装)は装備重量です。
※燃費はWMTCモード値です。