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「ゾーン30」の増殖でスピード取り締まりの常識が変わる!?【交通取締情報】


今、警察がやっきになって進めているのがスピード取り締まりへの移動オービスの導入と、その活躍の場となる「ゾーン30」の整備だ。「ゾーン30」とは文字通り、学校の周辺や住宅密集地域など、いわゆる生活道路での交通事故の抑制を目的に設けられた、走行車の最高速度が30km/hに制限された区域のこと。2016年度末時点で全国3105カ所が整備され、今年度中にさらに300カ所が増える見込みだ。ではその効果は?



平均速度がほんの数km/h下がっただけで事故が20%以上も減ったってほんと?

先日、警察庁から発表された資料によると、「2490カ所の統計をとってみたところ、前後1年間の比較で5414件から4144件へ23.5%の交通事故の減少をみた」とか。さらに「埼玉県と京都府内のエリアを通過するクルマの平均速度を図ってみたら、約2.9km/h下がり、段差を付けたり緩いスラローム状にするなど、速度を下げる目的で意図的に対策がとられたエリアでは4.2km/hダウン」ということになっている。ま、わずか2.9km/h下がっただけで目を見張るほど交通事故が減るのか? もしかして精力的に取り締まりを実施したからじゃないのか? そもそも平均何km/hから2.9~4.2km/h下がったの?と相変わらず突っ込みどころ満載だが、ま、そこはあえて突っ込まないでおきましょう。




それよりも注目は、その3105+300カ所の「ゾーン30」が、今後、ちゃんと正しく運用されていくのか、ということ。もちろん、「交通事故が減り、歩行者の命が守られること」はいいことなのだが、その陰で、最近の交通取り締まり件数の減少に歯止めをかけたいという警察の姿勢が見え隠れしている。つまり、「交通事故の抑制」という大義名分を盾に、いわゆる反則金稼ぎの狩場となる可能性もあるからだ。

「ゾーン30」では検挙速度の常識が変わる!?

道路幅も狭く、見通しの悪い交差点も多いこんな道で、スピードを出せと言われてもなかなか出せないというのも事実。

走行車の速度が遅いのになぜ? と思うかもしれないが、さすがに幹線道路に比べればクルマの流れは遅いというのは事実だが、それでもほとんどが30km/h以下で走っているのか、となると甚だ疑問。幹線道路と同じく、走行車のほとんどがスピード違反をしているということには変わりはない。しかも、平均走行速度が低いだけに取り締まる側にとって、有人取り締まりの際に受傷リスクが軽減されるというメリットが、実は「ゾーン30」にはある。それだけに、反則金ノルマを達成したい警察にとっては願ったりかなったりというわけだ。




ただし、スピード取り締まり総件数の99.9%以上が15km/hオーバー以上という現状を見ると、「ゾーン30」で捕まるのは45km/h以上となるが、見通しが良く道幅も広い道路であればまだしも、写真のような細い道での取り締まりは逆に効率がすこぶる悪くなるはず。もしかして「危険度の高い生活道路」ということで、5~10km/hオーバー程度でも捕まえようというのだろうか。確かに「15km/hオーバー以上」というのは規定でもなんでもなく(規定だったら14km/hオーバーまでは違反じゃないと警察が認めちゃうことになる)、慣例みたいなものだから、それ以下で捕まる可能性がないわけじゃないのだ(事実、2017年前期で27件の検挙実績がある)。




いずれにしても来年以降、「ゾーン30」やその他の生活道路での新型移動オービスによるネズミ捕りのみならず、簡易式固定式オービス(センシスsss)も続々、導入される以上、ドライバーにとって「ゾーン30」は身近な鬼門になると言えるかもしれない。最近は地図上に「ゾーン30」エリアが表示されているカーナビも増えているから、あらかじめチェックしておこう!

なんでスピード違反は15km/hオーバーからなの? という人はこちら!生活道路重点取り締まりの概要はこちら!交通取り締まりの最新情報はこちら!
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