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難波治のデザインウォッチング 東京モーターショー編 最終回 トヨタ Tjクルーザー&センチュリー


スバルの前デザイン部長の難波治さんによる「コンセプトカーウォッチング東京モーターショー編」もこれが最終回。最後は、やはりトヨタのブースです。取り上げるのは、Tjクルーザーとセンチュリーです。さて。

Tjクルーザー

難波 治 筑波大学芸術学群生産デザイン専攻卒業後、スズキ自動車に入社。カロッツェリア・ミケッロッティでランニングプロトの研究、SEAT中央技術センターでVW世界戦略車としての小型の開発の手法研究プロジェクトにスズキ代表デザイナーとして参加。独立後、国内外の自動車メーカーのデザイン開発研究&コンサルタント業務を開始。2008年に富士重工業のデザイン部長に就任。13年にCED(Chief Executive Designer)就任。15年10月から首都大学東京トランスポーテーションデザイン准教授。

ーさて、いよいよ最後です。西ホールに来てます。途中、ビールも飲まずに頑張りましたね。では、トヨタTjクルーザーです。




難波 これはね、このサイズでこういう使い勝手のいい自動車ってできたら楽しいだろうな、面白いだろうなっていうふうに思って見ました。デザインもスクエアで、悪くないですね。それでね、思ってたより小ぶりなんですよ。最初、出回ってた画像では、もっと大きいクルマだと思ってたんですけど、本物を見たらこれだけコンパクトなので、逆にそういう意味で、良かったと思いました。




ーふんふん。ちなみに、これ、全長4300mm×全幅1775mm×全高1620mmです。確かに大きくないですよね。




難波 これででっかい、すごくでっかい、トラックベースの……。




ーはいはい、かつてのメガクルーザーみたいな?




難波 そうそう。じつはこれ見て一瞬そう思ったりしたんですけど、でもこれくらいの大きさで楽しいクルマがあってもいいかなって思ってます。




ーこれ結構、いいなって僕も思いました。カッコいいなって。




難波 うん。いいですよ。シンプルで。いいですね。グリルは最近のトヨタさん風ですけど。はい。

ーでは、真打ち、センチュリーです。センチュリーはコンセプトカーではないので、本来は取り上げないはずなんですけど、やっぱり、今回のショーのスターの一台でもあるので。




難波 新型センチュリーはね……これは、基本的には肯定的です。このクルマ、こういう類いのクルマって、いわゆるデザイナーが言う「スタイリッシュ」みたいなものっていうのは、必要のないクルマなのかなって思いますし、後席に乗る人のことを最優先に考えなくちゃいけないクルマです。ですからそういうことに対して真面目に作っているなっていう感じがしますね。




難波 それから、ルーフも後ろをムダに下げないで、とにかくしっかりと部屋っぽく作っているじゃないですか。センターピラーから後ろがすごく長いですよね。たぶん足元もすごく広がったはずですよ。だから、これはこの手のクルマとしては、とっても、いい。


それから、これ今日黒に塗ってあるからかもしれないですけど、なんかこう、漆塗り的な日本の伝統的に続いてきたお重箱じゃないですけど、漆塗りのいい箱的ないい感じがしますね。




ーこのクルマの場合は、海外に売ることをまったく考えていないですよね。デザインもその場合はやり方が違いますか?




難波 そうだな~、うーん。




ーヨーロッパで、たとえば、「マイバッハのライバルになりたい」ってなったら、こうはならないわけでしょ?




難波 それはちょっと、わからないですね。なぜかというと、向こう(欧州)はこういうクルマでも、やっぱり長距離を最短時間で結びたいっていう要求がどうしても出てきます。それにもうちょっと適したデザインが出てくると思います。でも、この手のクルマ(日本のセンチュリー)を使う人は、そういうこと望んでいないと思うし……。




ーまあまあ、長距離は新幹線なり、飛行機なりで行っちゃうから。




難波 それで、まあ、オーナーさんもどちらかというと格式とか、そういうものが見えた方が良くて、変にスタイリッシュじゃないところを好むかもしれないので、基本的には、今回のセンチュリーは、オッケーですね。ただ、そうは言っても、うーん……もう少し、なんかモダンに見せられるバランスとか、あったのかもしれないな、と思ったりもしますけどね。でも、いいんじゃないですかね。面白くないですけど。その面白くなさで、いいんじゃないかと思います。でも、たとえばノーズも、バンパーがノーズとして一体になっているところとか、そういうところは現代的な佇まいを見せているというか、デザイン処理をされていると思いますから、決して古くさいわけじゃないんですよ。

ー僕はセンチュリーがちゃんとモデルチェンジしたこと自体がすごいなって思うんですよ。




難波 (笑)そっかそっか。ときどきやるじゃないですか。いま、これがいつ出るのかわからないけど、今売ってるモデルもずいぶんもう長いですよね。




ー20年……ですね。




難波 そんなになりますかね。20年前もいい変え方だったなって思いましたけどね。だけどね、願わくばね、ボクね、もうちょっとタイヤをね、でっかくしてもらいたいっていうか、タイヤの存在だけはしっかりしてもらいたいなって気がするんですよね。さすがに、やっぱりなにかあったときに、一気に走って逃げなきゃいけないかもしれないじゃないですか。だから、そういうところでの、走りの性能がしっかりしている、ぐらいのところが、もうちょっと見えてくると、この大きな図体ですからよかったなと思います。まあ、個人的な要望かもしれませんけど、そう思います。これはね、まだ量産車じゃないでしょ?




ーこれ、そのまま売ると思いますよ。




難波 そう。それでね、ちょっと鈴木さんに見せたいんだけど、もうちょっとすると、この階段がここ(ボディサイド)に映ってきます。いまも、LEDの線が映ってるんですが、もう、プレスが全然ダメ。うにゃうにゃ。これはね、こういう、この手のクルマはそういう仕上げがダメだったら、一気に熱が冷めちゃう。たぶん、あのLEDとかも映り込みますけど、すごく波打ってるでしょ。ダメですよ。これでじつは、昨日見ててげんなりしちゃったの。




ーほぅ~。なるほどね。これが願わくば量産じゃなくて、量産試作段階であることを願いましょう。




難波 そうしてほしいですよ。あまり、抑揚をむやみに抑揚をつけないのが日本風ではあるんですけど、それやるんだったら、もう最高級の技術で仕上げてもらいたい。それが達成すると、絶対に良くなるね。もう、ボクなんか、そこばっか見えちゃってダメ。




ということで、東京モーターショーの「難波治のコンセプトカーウォッチング」はこれにて終了です。また次のショーでお目にかかりましょう。





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