10月25日、東京ビックサイトにて開幕した第45回東京モーターショー2017。同日のヤマハ・プレスカンファレンスでアンヴェールされたクロスハブコンセプトは、ヤマハとして第三弾となる自動車。ヤマハだからこそ実現できたスタイリッシュな出で立ちは、大きな注目を集めていた。
プレスリリースには次のように紹介されている。
「さまざまな商材を持つヤマハだからこそ、モビリティが持つ遊びの可能性を知り、すべてのフィールドを駆け抜ける楽しみを提供できる――。アクティブ&アーバンなライフスタイルをつなぐ、ヤマハファンのための提案です。ユニークなダイヤモンドレイアウトのシート配置によって、コンパクトなパッケージでも2台のモーターサイクルを搭載できる、『ヤマハの遊びをリードする』デザインコンセプトモデルです」
確かに、クルマ全体をぐるりと見渡すと、ヤマハの“さまざまな商材”との関わりがいくつも垣間見えた。
まずはオートバイを積載できるトランポとしての性能。オートバイメーカーでもあるヤマハとあって、コンパクトなリヤデッキスペースながらも大小2台のバイクの積載を可能としている。
この2台積み実現の要となっているのが、ダイヤモンドレイアウトの4人乗りシート。最後列を1人乗りとすることで、シート左右にバイクのタイヤを差し込めるスペースを確保。独特のシートレイアウトは単に奇をてらっているわけではなく、限られたリヤデッキスペースを有効に活用するための理にかなったカタチなのである。
またリヤデッキの底板の素材もヤマハならではで、ボート技術で採用されているものと同じ「ウッド材」を使用しているのがユニーク。そのデッキの奥には2本のサスペンションも見どころ。ここにも同社のバギーで採用されている「マルチリンクサス」の機構が用いられているのだ。
運転席、助手席ドアの音叉マークをプッシュして開閉。サイドミラーではなく、カメラ(音叉マークの隣に配置)とモニターで後方確認する「電子ドアミラー」を採用しているのも特徴的である。
インテリアにもヤマハらしさが光る。オレンジを基調とした内装に、バイクの内装を思わせるメーターユニットを組み合わせ、オーディオ&スピーカーには総合楽器メーカーのヤマハ株式会社製のものを選択。このクロスハブコンセプトは、発動機と楽器の垣根を超えたヤマハ一丸となったとカタチといえそうだ。
ヤマハではMOTIVやスポーツライドコンセプトといった先だって発表されたモデルたちの開発も継続しているということから、ヤマハの4輪参入はわりと近い将来に訪れることだろう。
【諸元】
■全長×全幅×全高=4,490 mm×1,960 mm×1,750mm
■乗車定員=4