日産自動車の新車完成検査の不正行為再発に続き、今度はスバルで同様の無資格者検査が行われている事が判明した。スバルは、10月27日、同社本社(東京都渋谷区)にて緊急記者会見を開き、吉永泰之社長が、不正の詳細と今後の対策について説明を行なった。
東京モーターショー2017の開幕初日に、またもや自動車メーカーの管理体制への信頼を揺るがす事実が発覚した。今度はスバルだ。同社の群馬製作所で、出荷前の完成検査を無資格の従業員にさせていたこを10月27日、明らかにした。有資格者の検査員のハンコを貸与し、代行押印を行わせていたという。
無資格者が携わっていたのは、日産のケースと同じく、国から任されてメーカーが実施する「完成検査」の工程。法令では、完成検査は各メーカーがそれぞれ指名した資格者に担当させることになっている。しかし、それとは別に、社内の業務規定によるルールがあり、完成検査員登用にあたっては、現場経験の期間が 必要と義務付けて、当該工程の完成検査員と同じく、十分な知識と技能を 100%身に付けたと現場管理者(係長)が認定した者については、監督者(班長)の監視下で検査業務に従事させていた。ただ、これは明文化した規定はなく、規定全体が整備されている状況とは言い難い状況と説明している。
この問題は、9 月29 日付文書「日産自動車の完成検査の不正事案を受けた確認の実施について」に基づき社内調査を行った結果、明らかになったもの。これらの調査結果をもとに、更に精査し10 月30 日に国土交通省(以下、国交省)に報告する予定になっている。
記者会見時における質疑応答の概要は別途お伝えする。
(以下は、プレスリリースより)
当社製自動車の完成検査に関わる社内調査結果について
この度、国土交通省平成29 年9 月29 日付文書「日産自動車の完成検査の不正事案を受けた確認の実施について」に基づき社内調査を行った結果、当社において、完成検査業務を実施するにあたり、不適切な事案があることを確認しました。
これらの調査結果をもとに、下記要旨に基づき、更に精査し10 月30 日に国土交通省(以下、国交省)に、ご報告申し上げる予定です。
このたびは、お客様をはじめ多くの関係者の皆様にご不安とご心配をお掛けいたしますこと、深くお詫び申し上げます。
記
1.報告内容
(1)完成検査員について
型式指定を申請する際に、国交省へ提出している上位規定(完成検査要領)は、完成検査員が完成検
査を行うことになっております。一方、業務規定では、完成検査員登用にあたっては、現場経験の期間が必要と義務付けているため、当該工程の完成検査員と同じく、十分な知識と技能を100%身に付けたと現場管理者(係長)が認定した者を、監督者(班長)の監視下で検査業務に従事させており、型式指定申請書にある上位規定とは異なる運用になっておりました。
(2)完成検査の代行押印について
完成検査工程の運用ルールでは登用前の検査員に、完成検査員の印章貸与を行い、代行押印を行わ
せておりましたが、それを明文化した規定はありませんでした。
(3)完成検査に関連する規定の確認について
上記(1)、(2)で記載した運用は、完成検査に関わる規定に織り込まれておらず、規定全体が体系的に整備されているとは言い難い状況でした。
2.当社の完成検査の実施要員
・当社の完成検査に従事することができる者は、まず担当検査工程に必要な教育と訓練を受け、完成検査業務に必要な知識と技能を100%身に付けたと現場管理者(係長)に認定され、担当検査工程に従事するよう、監督者(班長)に指名された者です。
認定結果については、記録簿にて確認することができる仕組みとなっております。
・この指名された者は、個々人の保有資格(2 級自動車整備士等)に応じて設定された期間までは、監督者の監視下で完成検査業務に従事します。 ⇒2017 年10 月1 日現在、当社全体で4 名
・当該期間を経て、かつ社内の筆記試験に合格した者には、完成検査員という呼称を付し、原則監視下から外します。 ⇒2017 年10 月1 日現在、当社全体で245 名
・上記のとおり、完成検査正規登用前の検査員が完成検査に従事している場合があり、規定として明文化されておりませんでした。
3. 今後の対応
当社の完成検査を今後、透明性を高め、将来に渡って誤った運用や解釈が生じないように、改めて規定を体系的に整理し直します。
なお、対象車両に関しては、市場措置(リコール)を検討中です。
4. 本件についてのお問合せ先
【フリーダイヤル】 お客様センター「SUBARU コール」 TEL:0120-052215 (9:00~17:00)