
輸入車で最初のプレスカンファレンスとなったポルシェは代表取締役社長の七五三木敏幸のプレゼンから始まった。SUVとツーリングワゴンとはいえ、スポーツカーメーカーらしいプレゼンテーションであった。

今回の展示コンセプトは「インテリジェント進化と挑戦」をテーマに、スポーツカーの過去現在未来を示した。メインとなるのはジャパンプレミアとなる3代目カイエンと、アジア初披露となるパナメーラ・スポーツツーリスモだ。
フランクフルト・モーターショーで発表されたカイエンは日本初上陸となる。3グレード展開でベースグレードのカイエンでも340psの3リッターV6ターボを搭載し、上位グレードのカイエンSは440psを発生する2.9リッターV6ツインターボ、トップグレードのカイエンターボは4リッターV8ツインターボの550psとなる。
リヤアクスルステア、前後異サイズのタイヤを採用するなどサーキットでのパフォーマンスと共に快適性も両立したと謳う。もちろん現代的なハイパフォーマンスカーとして先進安全技術も盛り込まれ、ACCを日本では標準装備としたり、12.3インチのタッチスクリーンやメーターにも7インチスクリーンが採用されるなど最新モデルらしい仕上がりとなっている。受注は本年中に開始される予定だ。

プレスカンファレンスにはヴァイザッハのR&Dセンターからエクステリアデザイナーの山下周一氏を招き、プレゼンが行われた
山下氏はパナメーラ・スポーツツーリスモをまさに担当したデザイナーで、カイエン同様のエンジンラインナップ(3リッターターボ、2.9リッターツインターボ、4リッターツインターボ)にハイブリッドモデルを加えた5グレード展開となる。全グレード8段PDKにAWD。4シーターのパナメーラよりも実用性を重視しており、5名乗車で荷室容量はサルーンと較べて50リッター増加した。
ただし、実用的とはいえポルシェらしいのは社内ではワゴンではなくスポーツツーリスモと呼ぶという。ブランドアイデンティティと各モデルのアイデンティティをきちんと両立しながらのデザインに気を払ったという。
後方に行くに従い絞られるルーフなどは911にもつながるデザインである。特にリヤランプの造形は夜、遠くからでもポルシェだとわかるだろう。また、ル・マン24時間レースにも通じる4ポイントヘッドランプやアクティブリヤスポイラーなどモータースポーツとのつながりも感じられる仕上がりとなっている。こちらも日本への上陸が楽しみだ。

もちろん991型911の真打ち登場とばかりにGT3が登場した。最高出力368kW(500ps)を8250rpmという高回転で発生する4リッター水平対向6気筒エンジンは自然吸気の魅力に溢れた1台となる。その後ろに控える911GT3カップ。最新型GT3と同様に4リッターとなり、2018年シーズンのポルシェ・カレラカップジャパンはこのニューマシンで争われることになる。

展示された356スピードスターはポルシェミュージアム所蔵のミントコンディション。東京モーターショーで展示するために輸送されたそうだ。