
新世代のエレクトリニクスの採用も見逃せない新型カイエン。スマートフォンとの連動や先進の運転支援システムなど、最新型らしい装備と機能も注目に値する。
REPORT◎山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

新型カイエンのキャビンは、今回のフルモデルチェンジでさらに実用的に、そして機能的なものになった。実用性という点では、後席を使用した状態でも770ℓの容量が確保される(ターボは745ℓ)ラゲッジルームや、さらに快適性を高めたシートのデザインなどが、その代表的な例としてあげられるし、また機能面では先進運転支援システムやコネクト技術の進化をとりわけ強くアピールしている。
ドライバーズシートに着席すると、まずニューモデルとして斬新さを感じるのは、伝統的なアナログ式のタコメーターの左右に、7インチディスプレイを配したメーターパネルと、センターコンソールの中央に備わる、12.3インチのフルHDタッチスクリーンだ。新型カイエンでは、車両管理のほぼすべての機能を、このメーターパネルと、高性能なボイスコントロール機能をもつタッチスクリーンで実行できる。ポルシェはこれをPCM=ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントと呼び、6人までの個人プロファイルの設定が可能だ。
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新型カイエンには、ポルシェ・コネクテッド・プラスも標準装備されている。これによってドライバーは、オンラインサービスやインターネットへのアクセスが可能になり、さらにスマートフォンとの連携も可能になる。そのためにポルシェは新たなスマートフォンアプリ、「コネクトApp」を開発。カスタマーはドアやウインドウの開閉状態確認やロック&アンロック、さらにさまざまな車両情報をスマートフォンで共有することができる仕組みだ。オフロード走行時の地形情報や走行状態を記録するほか録画も可能とする、オフロードプレシジョンアプリが新開発されているのも見逃せない。
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ADAS=先進運転支援システムは、もちろん最新の仕様になる。レーンキープアシストやレーンチェンジアシスト、トラフィックジャムアシストなどの機能がアダプティブクルーズコントロールに統合され、ドライバーのストレスは特に渋滞時には大きく低減されることになった。サラウンドビューやパークアシストが搭載されたことで、新型カイエンは混雑した市街地や駐車場でも躊躇することなくこれを使うことができるSUVになった。
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熱探知カメラを使用して人間や大型動物を認識する、ナイトアシストが搭載されたことも市場によってはセールス面で非常に大きなアドバンテージになるだろう。全車がLED化され、さらにコーナリングライトなどの機能を持つPDLS=ポルシェ・ダイナミックライト・システムをオプションで選択できるようになったことを含め、夜間走行時の安全性はさらに高められた。ちなみにこれらの先進運転支援システムの詳細は、PCMの個人プロファイルにリンクして各々に設定することが可能だ。