従来のミニバンに代わる存在として9月14日にデビューした、マツダの国内市場向け最上位SUV「CX-8」。弟分の「CX-5」に加え、北米市場向け「CX-9」とも共通点の多いCX-8における、デザインの狙いとは。諫山慎一チーフデザイナーに聞いた。
| |
| |
--CX-8にはCX-5およびCX-9との共通点が多く見られますが、具体的なポイントは?
諫山 まずリヤはコンビランプがCX-9と同じで、フロントドアより前はCX-5と共通です。ただし、フロントグリルのデザインは変更しています。
| |
--インテリアはどうですか?
諫山 インパネのアッパー側をCX-5と共用していますが、センターのエリアはCX-8オリジナルの形状です。ドアトリムは、フロントはCX-5と共通ですが、リヤドアは長さが違いますのでオリジナルです。シートはアレンジが全く違いますので、3列とも専用品です。
| |
--コストの面以外で、CX-5およびCX-9と共通のものを使用した狙いは?
諫山 デザイン表現の統一感を持たせることに加え、日本の中で1840mmという全幅は我々独自の、使い勝手の良い数値としてCX-5の時に決めたのですが、CX-8でも同じ数値にしましたので、効率的な面を考えました。それがデザインとして何の破綻もなく、一目見た時には全く違うクルマの魅力を発するようにしましたので、結果として同じ部品を使っています。我々にはそれほど潤沢な資金を持ってはおりませんので、積極的に同じ部品を使ったというわけではありませんが、そういった効率の部分を考えながらデザインしました。
--特にサイドから見た時の伸びやかさが、CX-5などと違うように思えたのですが…。
諫山 伸びやかでありながら、キャビン(サイドウィンドウを含む上側)もあまり大きく見せないようにして、ボディ(サイドウィンドウより下側)とのコントラストを取ったりして、何か一つではなく全部のバランスを、最高に気持ちいい状態にしようとしています。CX-5をただ伸ばしただけでは、ちょっとダックスフントのようになってしまいますが、そうならないように、CX-8として完成したデザインを構築するのが、非常に難しいところでしたね。
| |
--日本市場でのみ販売するのであれば、プレマシーやビアンテからの代替を狙うとなると、特に価格の面で厳しくなるという印象があります(CX-8の価格は3,196,800~4,190,400円)。CX-8よりも下のクラスで3列シートのSUVを作りたいというお考えはありますか?
諫山 個人的には、ありません。これ以上小型になると、3列目が完全に補助席のようになります。それは、すでに存在する価値ですから、積極的に作ろうということにはならないですね。